
十月初日、
むすこの運動会をめがけ
むすめ、来てくれて
はしる、おどる、カポカポで駆け抜ける、など
ともにこの少年の成長を見届け
なんともはや感激、
胸いっぱいになり、
また
あまりにおもろいので
おなかをかかえてわらう
保育園の先生方
また
この環境のすべて
また
はるばるかけつけてくれたむすめに
こころから
感謝する
普段はなんの不足なく暮らしているのであるが
時節もあり、家族ごと等しく区分けされた応援席スペースに
ふたりいるというだけで
どんなにこころづよく
また
翳りなく
こころから楽しみ、やすらいでいられたことか
その場になってみなければ想像もつかなかったが
それを彼女は言葉なく察してはるばる
来てくれたのであろうとおもう
ああ
謝謝だ
さて
その数日後
三人でひゅんと空をとび
HIMMELでの日を迎えた
これに至るまで、いつになく緊張した
というのも
2週間ほど前、
この日に向け
一度打合せをしましょうと
SHIDHE さん、木原健児くんと
ラインプチ会議、そのときに
SHIDHE さんより
「なんだかね、ふっと思い浮かんだことだあって」
と、半ば唐突に
「今回は、Oちゃんの誕生から成長への物語をめぐるようなものにしたい。
それはライブということにとどまらない、動きもストーリー性もある、
演劇のようなものでもあるんだけど…」
なんてことをおっしゃった。
は??
と、わたし。
え、どういうことで??
そんなことできるんかな、できないよ
っていうか、Oちゃんってだれよ?
と完全にうろたえるわたしに
木原氏、しずかに
「あれかな? いつものように朗読をはさみつつ、
自由に移動したり、動きもつけたりすれば
自然なながれでできるんじゃないかな?
CDに添えた詩のような文章からふくらませてみたら…」
この人はまったく、救世主か
と、真底思い、感謝する。
で…できるような気がする。
ちょっと書いてみます。
やってみます。
と応え、それから頭の中はずーっと
Oちゃんのことでいっぱいであった。
とにもかくにも、Oちゃんって誰なんだ
書かなくちゃ書かなくちゃとおもえば
おもうほど、そこから脚は遠のき
謎の掃除をしたりする
「初恋の悪魔」に涙して夢中になったりする。
こまったこまった、ふたりとも待ってるな。。
最期には、
そうだ、わたしが書こうとするからかけないんだ、
これは素直にあれだ、
おねがいしよう、と
高いところにお願いする。
わたしに、ひつようなことを、かかせてください。
そうすると不思議なことに
か…形になっている。
これをなんどか繰り返してなんとかふたりに
テキストと、おおまかな流れを送る。
ああそうか
SHIDHE さんの無茶ぶりめいたことは
このためだったか。
全部あのひとはわかってて、
わたしの「これくらい」を飛び越えさせてくれたのか
と、
すべてがおわり
しみじみ、感謝する。
それにしても
SHIDHE さんと木原健児氏
このおふたりの凄いこと。
けんちゃんの音は自ずと魔法のような空間を生み
SHIDHEさんは絶妙なタイミングと響きで言葉、動きで呼応してくれ
わたしはのびのびと唄い、歩き、座り、ねっころがり、動き回りながら
自由にそこに居ることができた
この三人だから、できたこと
ああ、たのしかった
あたらしいことのはじまり
挑戦は、
緊張はしたけれど
とても意義のある素晴らしいものだった。
午前中のワークも
HIMMMELならではのもの、とのリクエストに
当初頭をひねっていたけれども
ふっと問いをたて、素直にしていれば
応えはやってくるもので、
これまでにない、風通しのいいものとなり
おかげさまで
なんともリラックスした佳い時空となった。
これまでに体験したことのない
そしてまた
ほんとうはきっとやってみたかったこと
は、ひとりではうまれないんだなと
しみじみおもうである。
壁や限界を
いとも簡単につくってしまっているのは
自分自身
ということか
午前中の声のワーク、午後のパフォーマンスライブ
どちらも雨の中
またこの日だけ異常な寒さのなか
濡れながらはるばるお越しいただいたみなさま
ほんとうにありがとうございました。
一度きり
あの瞬間にほとばしり
みなを包み込んだもの
それ共有していただけた同志のようなかたがた
おひとりおひとり欠けることなく
おかげさまで
素晴らしいときとなりました。
庭の植物をあしらい、美しく愛に満ちる空間をしつらえてくだすった
ula’さん、
なにもかもをおひさまみたいに照らしてくれる
木原さっちん、
やはらかくサポートし、場を包んでくだすった
nona さん、
すくすくと成長して屈託なくそこにいてくれた
のいのい、
息子と一日中遊んでいてくれたむすめ、
ほんとうにありがとうございました。
しあわせなことです
........
その翌日より
木原夫妻の新天地、かの西伊豆へご一緒させてもらった。
美しい棚田の稲刈り、
遥か下には青い海がひかり、
清々しい風と気がわたってゆく。
また、その近隣に住み暮らすひとびと
その魅力とゆたかさ
ふたりの仮住まい
うつくしく、居心地の良い日本家屋。
美味しい食事。
そこでのびのびと愉しむむすこ
自ら鎌握り、黄金の稲藁をざっくと刈る
かえる、かに、ばった、かめむし、ななふし、やぎ、
愉快そうにたわむれる。
景色、空気、歴史、風、雨、ひかり、ひとびと
なにもかもを肌身で感じ、
しみじみ
愛おしくたいせつなこのふたりが出会い、みつけたこの場所が
奇跡のような宝物のような処であること
そのことを知れ
なによりもうれしかった。
それぞれみつけた愛おしき地を
互いにこうして往き来できることのしあわせ
ゆたかな縁や可能性は
かくのごとく無限大にひろがってゆく
ああよかった
ああたのしかった
むすこ、夢の新幹線にも一寸乗り
むすめの居にもどり、
三人
ゆっくりとやすみ、わらいころげ、湯に浸り
夜中にむすこ眠ってから
ふたり、新発売ハーゲンアイスピスタチオを
つついたりして
実にやすらかな、幸福に満ちた日々、滞在であった。
お世話になった方々、
隅々まで
ありがとうございました。
謝謝

(写真2枚は、HIMMMEL撮影のものをシェアさせていただく)
野に
道に
葛の花の甘い香りがする
秋到来
まだまだ
真夏と変わりない格好をして歩いてはいるが
わたしは秋がすきである
部屋に紛れ込んだ小さなひとを
昆虫図鑑をひらいて照合し
これがコオロギ、と
息子としずかに感激したりする
り、り、
と
庭で鳴き交わしている
さて
そんな
美しい季節に
美しい場所で唄う
機会をいただいた
今年初めにも訪れ
銀河鉄道で旅をしたようなときを過ごした
鎌倉山、HIMMELにて
ふたたび
Kenji Kihara氏、SHIDHE氏とともに。
作品集 「 O 」リリースイベント
第一回目となります。
「O」からはじまるものがたりを
巡り、浮遊、体感するような夜を
ご一緒できましたなら
さいわいです。
(以下、himmel主催 SHIDHEさんからのご案内文引用)
………………
eventのお知らせ
.
,
10/7(fri)
.
.10:30-12:30
nalu
a circle for feeling voice
5,500yen
(こちらは満席となりました)
.
/
17:00-
nalu + kenji kihara + HIMMEL
パフォーマンス ライブ
"O"
6,500 yen
.
.
2022年のはじまりに
HIMMEL で素晴らしいひびきを
重ねてくれた
nalu
kenji kihara をお招きして
naluの作品集 "O" のはじまりに
パフォーマンスライブを開催します
.
.
夜の闇のなか
こえと響きが
環となり ひろがり
それぞれのなかに
あたらしい物語
あたらしいわたし
が、うまれる時
深まりゆく秋の日
源からうまれる時空間となるでしょう
"O" の物語を旅しながら
HIMMELの庭と空間をつかった
パフォーマンス形式のライブとなります
.
.
○
今回、午前中(10:30~)には
nalu さんによる
少人数による、声のワーク
circle for a feeling voiceも開催します
(チャクラの流れにあわせて声を響かせ、
自身を整えていく、内側に響くヨガのようなワークです)
HIMMELバージョンの
スペシャルな内容でお届けしてくれます
…………
a circle for feeling voice
母音と倍音、声音の環
身一つでおこなう
母音、倍音を用いる
"声のヨガ" のようなワークです。
人前で声を出すのがためらわれる方
久しぶりに声を出したい方
どなたでも安心しておこなえるよう
誘導してゆく環、場となります。
このたびは HIMMEL の静謐な空間で
身体と意識のアプローチを含め、特別な内容でおこないます。
.
.
とじていたものが
ひらき
とどこおっていたものが
うごき
ながれだし
にごっていたものが
とうめいに
すみわたってゆく
ほんとうへと
かえってゆく
あたらしいせかいを
この身
この手
ひとりひとりが
ひらいてゆくように
天と地
うみ そら やま もり むし とり けものたち
くうき かぜ ひかり たいよう はるなつあきふゆ
ともに
あるように
わたし、
いまここ、
その原初に還る。
.
.
こちらも
どうぞ、お楽しみに~
.
.
---
.
nalu さんのこと
nalu は風のようなひと
野性の植物のように
まっすぐな美しさと強さをもった
私たちにとってはじまりの人
.
7年前、わたしたちが
葉山に移り住んで、彼女に出会い
nalu の歌声に導かれて
出会った土地と人々
そこから私たちの
新しい物語がはじまった
.
.
こちらと向こう側の境界線を
往き来するような声と響き
.
透きとおるその唄のようなものは
波となり 深い記憶にふれて
私たちのたましいを揺らす
.
/
.
.
10月7日(金)
.
10:30-12:30頃
nalu
circle for a feeling voice
.
5,500yen
(1drink つき)
.
定員: 8名さま
(満席となりました)
----
.
17:00-19:00頃
nalu + kenji kihara + HIMMEL
パフォーマンスライブ
"O"
.
6,500 yen
(1drink つき)
..
.
※お代はゆうちょ銀行への事前お振込となります
.
/
.
ご予約の方法
.
お申込みは
下記の項目をご記載の上
himmelschule@gmail.comまで
メールにてお申込みくださいね
.
こちらのアドレスから返信いたしますので
メールを受信できるようにお願いいたします
.
.
1. 参加ご希望の会
件名を「O ライブ」と
してください
.
2.お名前
3.人数
4.ご連絡先
.
/
.
nalu
北海道生まれ。the yetis のヴォーカルを経て、現在は唄、朗読、祝詞、また言葉でないものたちを、音声とした表現活動を行う。ライブのほか声を用いたワークも。
2020年初夏、神奈川県葉山町より拠点を移し、四国在住。ニ児の母。
umitonalu.com
.
.
sphontik / KENJI KIHARA
Musician & Sound Artist
音楽家/サウンドアーティスト
エレクトロニカ・アンビエントミュージック、チルアウト・ラウンジミュージック、そしてシンガーソングライターとしての楽曲など幅広いジャンルの音楽を制作
@sphontik_kenji.kihara
……………
まだ触ったことのない
未知のとびらがふるえ、ひらく
そんな予感がする
心よりお待ちしております。
八月
息子と止心庵に一泊した
止心庵は
離れ一棟貸しの
御宿でもある
一度は泊まってみたかった
その念願叶い
また
キャンペーン利用でもらえるキャッシュバックで
なんと、むしろプラス
という奇特な事態
有難いことである
それ
想像以上に
素晴らしい
素晴らしい宿であった
目に映るものすべてが美しい
惜しむことなく贅沢に
大切に造られた古い家屋というのは
なんと隅々まで
いのちのゆきわたっていることか
また
センス=愛の在る配慮、心遣いのゆきとどいた
空間とは
精霊たちとともに過ごすような
なんとも
しあわせなことであった
近隣の透明な川で遊び尽くした息子
寝入った後
夜は眠るのが勿体なくて
ひとり
居心地の佳いソファに寝そべって
夜中まで本を読み耽り
朝には
大きな窓のむこうに
瑞々しい山の緑ひかり
ごろごろする
縁側で頂く朝食の
沁み渡り
なんと美味しいこと
心ゆくまで堪能させていただいた
ああ
四万十市
止心庵
ここで毎月のように
わたしは唄う場、その機会を頂戴している
それそのまま
なににもまさる
わたしの
生きる源
生きる歓び
なのである
原初に還る
ここへ集うてくださる方々にも
一滴でも
そのようなものであれば嬉しい
九月、止心庵
唄の環のお知らせです
………
circle for a feeling voice
母音と倍音、声音の環
2022. 9. 21 (wed)
13:30~15:30頃
fee : donation
於 止心庵
高知県四万十市口鴨川136
https://www.facebook.com/shishinanshimanto
・お問い合わせ、ご予約
070-4413-7126
levelamica@gmail.com
いずれかに、お名前と人数をお知らせください。
…
環となり
境界線を解いて
耳をすます
技術、優越もなく
ただ声、母音を
ゆるやかに 響かせてゆく
そこに
自ずと立ち現れてくる
"わたし" は、
素であり自然
それは
すべてとひとつである
わたし、
いまここ、
その原初に還る。
身一つでおこなう
母音、倍音を用いる
"声のヨガ" のようなワークです。
人前で声を出すのがためらわれる方
久しぶりに声を出したい方
どなたでも安心しておこなえるよう
ゆるやかに誘導してゆく環、場となります。
ワーク後は、
止心庵さんのお茶、お菓子を頂きながらシェアリング。
(お茶菓子代は別途、donation)
………
この場をひらくたび
心深く想うのだが
この最後
シェアリングのときが
またほんとうに佳いのである
普段世間で知らず知らずに纏う
鎧
のようなもの
それがない
どのひとも
まま
剥き出しのいのち
そこから語られることば、存在自体
生命の最も尊きところで
自ずと交感
し合っている
いきもの
にんげんとして
こんなに
真髄のふるえる瞬間はない
かもしれない
さて
雷雨、鈴虫、蟋蟀
夜を超え
秋の
風、音、色、匂い
気配の入り交じる
山の細道 辿る先
止心庵にて
心より
お待ちしております
九月
昼間は暑いが、朝晩には涼やかな風が吹く
ほったらかしの畑にこわごわ行ってみると
草の中にササゲがぶらぶらと実って
無精なわたしを健気に
待っていてくれた
しゃがんでしみじみ
このササゲたちに
礼を言いながら摘めば
スカートの上いっぱいの
思いがけずの収穫
麦わら帽子に入れて帰る
帰り道
桜の木陰でひと休みする
畑の主、キミさんに会って立ち話をする
この夏の畑、無精を詫びるとキミさんは
暑いから無理はせられん
と、やはりおおらかに云う
キミさんは朝起きたらまずは畑に行くのだそうだ
毎朝、春も夏も秋も冬も
キミさんの畑は花々あいらしく、
野菜もぷりぷりしている
オクラの花がレモン色に
うつくしく咲いていた
さて
前置き長くなってしまったが
現在、大変有難いことに
CD 「O」をお取り扱い頂いている方々です。
(以下、五十音順)
ao+水玉 (アオトミズタマ)
青森県 弘前市に在る、愛らしくうつくしいものをセレクトするお店さん。
the yetisの頃からお世話になっています。
aotomizutama.theshop.jp
kai's shop
鎌倉で、流れ星のように不定期に営まれる小さなお店。
大切な友人でもあるkai氏は、「O」"peace"の作詞作曲を手掛けてくれています。
https://k-a-i.info
KURAKURA storehouse
横須賀市 秋谷に佇む古民家ギャラリー。
白倉祥充さん、えみさんがいのちを吹き込んだ木工、陶芸作品に出会えます。
葉山時代、たびたびここで唄わせていただきました。
http://kurakurastore.jugem.jp
珈琲商店ハト
千葉県市川市に在る、駅から程近い珈琲屋さん。
心美しい店主の淹れる珈琲の香り、美味しい焼き菓子にほっとします。
こちらも有難き、the yetisの頃からのご縁です。
https://coffeehato.com/
コナカフェ
高知県 須崎市に在る、自家製パンとお菓子のお店。
センス佳く美味しい、貴重な処。
今の地に暮らしはじめてからの、嬉しく尊きご縁です。
https://instagram.com/cona_cafe?igshid=YmMyMTA2M2Y=
HIMMEL
セラピスト、アーティスト SHIDHE氏の、鎌倉山に在る、異世界のように美しいアトリエ。
葉山時代からの深いご縁。
たびたび、こちらでライブもさせていただいています。
http://www.himmel-schule.com/
あらためて、
なんとゆたかなご縁にわたしゃあ
恵まれて生きているのであろうかと
おもう
有難き
ありがたきことかな。

七月のある日
生活の拠点を二階の部屋へ移した
とはいってもただ単に
我が家唯一のテーブルを二階へ運んだまでのこと
なのであるが、
それだけであらゆること
その営みの景色が変わってくる
二階の部屋からは
海が見える
ヨネさんちの
白銀色に照り光る屋根瓦越しに
まっすぐな今日の水平線がみえる
朝ごはんも昼ごはんも夕食もここで食べる
これまで台所内の
調理台から振り返ってそのままテーブルに
という便利さとは打って変わり
わざわざ二階へ食事をはこぶ
お盆一杯にのせても足らない時は
念じてみたとて
手がにょきにょき生えてきてはくれぬので
もう一度階段を下りて、上って
食事を運ぶ
むすこは当初
なんで二階でたべるが?
と、問うていたがじき慣れて
先発で二階へ上がり、
テーブルを拭き
箸と箸置きを並べてかえってくる
ので助かる
これまでこの家に住み暮らしていて何故
こうしなかったか
くらいこれがいい
この家に一目惚れしてここへ住まわせてもらっている
その醍醐味というものだ
と
しみじみ
ここで
茶を呑み
日記など書き
また
本や手紙など読み
深くこのさいわいを噛みしめる
ああ
つい数週間前までここでは
洗濯物を干し
朝の動作、祝詞をおこない
あとはお客さまが泊まるときにつかってもらうだけであった
おおそういえば
数ヶ月に一度、訪ねてくれる
月の海 canaちゃんに、ここ
海の見渡せる部屋で
髪を切っていただいている
今年の初めからのことだ
以来、髪はばっさりと短い
これも
私の本質に合っているような気がする
と、おもえば
テーブルの端にこどものカマキリが居る
揺れながら
あるいている
淡い黄緑色
お昼を知らせる
けたたましいサイレンの音がする
数日前よりむすこが
二階で寝たいと言い出した
どれどれと
布団を敷き
寝転んでみると
星がみえる
窓の外
暗闇に満天の星
ひかるがみえる
流れ星みえちゃうかもね
どうする?
なんて言いながらいつのまにか眠っている
朝が来て
太陽のひかり差し
波の音がする
カマキリはどこかへ居なくなった
そろそろ
お昼餉にするとする
いきていること
それは
くりかえす波のように
死者たちも同時にまた
うつくしく
いとおしく
ここに
ある
五月二十日
福井県越前町、
だいこん舎 洗心亭に於いて
午前と午後
ふたつの環、かこむ。
ここに至るまで
だいこん舎さんへの了解から
お集まりになってくださる方々へのお声がけ
すべてを取り仕切ってくれたのは
昨年、ここで展示会をひらきご縁を繋いでくだすった
“ひら” の衣のひと、ひろこちゃん
彼女の身体のなかには
うつくしい
初々しく
ひかるいのち
畳の間
円座すると
鳥の囀り
葉擦れ、風の音
その間
むすこは伸びた筍を手折り、肩に担いでは
ちいさな女の子と芝生を走り回っている
それを見守ってくれたのは
ひろこちゃんのお母様
こえ
ふるえは
さざなみとなり
波紋となって
わたし
せかいにひろがる
ことばは
なみとなり
はるかとおく
いつかのわたしを
ゆりおこす
畳の間
昼も夜もそれぞれに
集うたいのち
声は身体をぬけだして
交じり合い
重なり合って
あらゆるものと
ひとつになる
この土地、
また遠くから
この一寸のとき共有すべく
足を運んでくだすった
おひとりおひとりに
こころより、感謝申し上げます
おひとり欠けても
おなじようにはならなかった
昼また夜、それぞれに
素晴らしい、ありがたいときでした。
だいこん舎のお蕎麦、
やはり最高でこのたびも
二日連続お昼に頂く。
甘味のそばがきの黒蜜がけ、
翌日は
山菜のかき揚げに至るまで
くるみだれ、
おろしとろろの
お蕎麦とともに唸るほど、
実に実に、美味でありました。
昼夜の会の合間には
弘子ちゃん、お母様ともに
そのご友人・野さんの携わる陶芸館へ
ご案内いただく
そこで息子ともに
土を捏ねさせてもらい
息子は野さんと軽快にお喋りしながら
手を動かし、
小さなお団子から葉っぱのお皿、
さいごには山積みのパンケーキまで
愉しそうにこしらえる
昔から図工とか、目に見えるものを
とくに人前で形作ってゆくのが不得手なわたしも
なんとか
小皿と平べったいランプシェードをこしらえる
これをわざわざ焼いて仕上げて
送って下すったものが
今日届いた
鉛筆文字のお手紙を
拝読しながら
胸一杯で視界が滲む
こんな
温かくも素晴らしい出会いと
ご縁と、ご厚意に恵まれて
感無量
感無量
とは
わたしの大好きな祖父からの手紙で覚えた
ことばであったが
この歳になり
その意味をわたしなりに
心身でこの頃、深く感ずるようになった
おじいちゃんには
毎朝挨拶を交わすが
観ていてくれているだろうか
いや
観てくれている
祖母、インコとともに
話が逸れたが
福井
このたびもほんとうに
佳きとき
しあわせなときであった
帰りの日、朝に息子と
だいこん舎さんおすすめ
花みずき温泉の湯に浸かり
しみじみ
この身のさいわいをおもう
ひろこちゃん、
そのお母様、
そして
だいこん舎、
かずさんとゆかりさん、ちらっと会えたのりかちゃん、
猫のふじこちゃん、
野さん、
昼夜うたの輪かこんでくだすった
おひとりおひとり、
ほんとうにありがとうございました。
また訪ねたいと
願うております
謝謝

六月十六日
望月の日
長野県佐久
望月町森の小屋にて
唄、声、なみだ、
あふるる音の環
かこむ
この日
森の杜のなか
これまで
いつのまにか築いてたパターンのようなもの
その一切がなく
なにかもう
隠すことも繕うこともできぬ
ただ
丸裸のわたしが居り
そのわたしのなか
流れてゆくまま
やってくるままを
この日
あちらこちらから集うてくだすった
かみさまのようなひとたち
に、くるうりかこまれて
みれば
森の道のむこうに
むすめと、ちいさなむすこ
かぜがふき
とり
けもの
鳴き交わし
木々草草ゆれざわめき
ひとともり
ひととけものたち
ひととせかい
その境界を解き
淡くまじりあって
ここにいる
その
自覚意識あるなしに問わず
ゆるやかに
たすけあって
居る
わたしは何故か
赤子のようになって
そのむきだしを
あたたかないのち
そのけはいで
やはらかくみまもり
くるんでいただいた
それは
なにかのおわりと
なにかのあらたなる
はじまりであったのかもしれない
慈悲深き
おひとり
おひとりに
ふかく
感謝するばかりである
あたたかな小屋のなかで
まるい
おむすびをいただく
ほおばると
知ったことのない
なにかがひろがるのでおどろく
ひとくち
ひとくち
その後も
あせることなく
それはひかる
ひかって
からだ
わたしのなかへ
ちらばってゆく
まこちゃん
このおむすびをむすんだひと
に、はじめて
出会う
このあと
まるい輪の中で
おひとりおひとりの
ことばで話してくれたこと
それは
この日
話すことさえままならない
わたしの
御守りのように
ふかく
瑞々しく
浸透していって
いまも在る
ひふみゆ
https://hifumiyu.com/
かずみちゃん
まさみくん
そして
ふう
とわ
おふたりには
ことばではたりない
五日間の滞在から
うけとったこと
いただいたこと
すべてをふくめ
全身全霊、感謝申し上げる
おふたりの手による施術も
またほんとうに
ほんとうに素晴らしかった
いまうまれ
あたらしく
天井と
己の手のひらをみる
期間限定、森の小屋での施術もまた
さぞや特別なものであろうと想う
みず
やま
もり
つち
かぜ
しか
ゆ
ほし
つき
あめ
なにもかも
なにもかもに
謝謝


(写真はすべて、「ひふみゆ」のうつくしいHPを手掛けた須賀さん撮影。)