
さて、ぽっくりと
秋であります。
そこいらじゅう
のうみつに金木犀の匂いがして
朝晩は靴下をはかないと、
冷えます。
麦茶もあったかいのを
飲みます。
栗が八百屋さんでぴかぴかして、
「焼き芋はじめました」
と ぶら下がるボール紙の看板に、
待ってましたと
財布を抱え駆けつけておる、
この頃。
秋は空がきれいです。
ちか頃、
外で遊んで帰った娘が戸を開けるなり
「たいへんたいへん、空がすごくきれー!」
と、わたしを外に誘います。
それは
とろんとした夕日であったり、
一面つつむ夕焼け空だったりして、
刻々と色姿を変え
それはそれは、綺麗。
しかしながらの話、
約束の帰宅時間はとっくに過ぎているのが
常である。
はて
これはこの娘っこの巧妙な一手なのか
どうなのか。
疑うわたしの心がくすんでおるのか
どうなのか。
でもまあ現に、
うっとりするほど空はきれいだし
まあいいかと
ふたり、空を見上げるのであります。
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