
れんげの花
を
はじめてみたのは
南国・土佐に住んでいたころでした。
れんげといえば
ハチミツのビンに描かれている花ではあるけれど
うら山を犬と散歩しながら
一面のれんげをみたときは
歓声をあげ、すきっぷしたのを憶えている。
山ではたけのこもぼんぼんとれた。
週末、田んぼの田起こしをしに
でかけた先で久しぶりに
れんげ畑をみた。
そろそろ32にもなろうというええ年の女だけれど
やっぱりわーわー言いながら
はしっていた。
2週間前より
田んぼの水もぬるまり、
あちこちで白いのや、うす紅色のや、黄色いのや、
花々がほころんで
枯れ木みたいだった枝に新芽が芽吹いている。
やわらかい風でふるえて、
ゆれる。
春は
山笑う
と、いうけれど
うまいこといったもんだよなあと
しみじみおもう。
娘の花粉もあとすこし。
ときどき雪がふったり、
風邪をひいたりもするけれど
そして今日は雨降りだけど
はるっつあーやっぱり、よいものであります。

つくし は
土筆
と書くのだそうである。
筆の先のような姿をして生えるから
だとか。
わたしは春になると、
これがにょきにょきと生えるのをみずにはおられない。
むろん
こぶしの花も、さくらも菜の花も沈丁花も
絶対に欠かせぬものだけれど
毎春、
つくしをみるまでは
「つくしーつくしー」と
地べたをみまわしてあるく。
小さい頃はひろっぱに
ぽつぽつ顔をだして
にょきにょきのびるつくしに
身体中がわきたった。
はるだはるだはるだ、と。
夢中で摘んでは、ちょんぎっておままごとをして
遊んだ。
たんぽぽの花びらと一緒に水たまりでお味噌汁をつくったりした
なあ。
娘は、つくしをみつけても
もったいないとゆって摘まない。
一本くらいいいんでは?というわたしの誘惑にもなびかない。
都会のつくしは貴重で、なんである。
と
おもっていたら先日、
一面にわさわさと生えほこるつくしをみた。
とても格好がよかった。
写真は、
今年最初にみつけた土筆。
ないない、と騒いでいたら父がふとしゃがんで
ほら、と指差した。
立ってちゃわからぬこともあるのだなあと
しみじみ感じ入った。
花も舞散り、春がきたんである。
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