
あの日から
まる四年を迎えた三月十一日
朝から浜へでて
海を目の前にして
お祈りをし
祝詞をあげ
唄をうたった。
お茶をのみ
持参したすこしのお菓子をたべ
それからしばらく
海をながめた。
ときおり、
光がさして
あたり全体と波のなかを
あかるく包む。
寄せては、
かえして
とおくとおくがひかる。
風がふく
波のおとがする。
鳥がとび、旋回して
砂浜がぬれる。
うごくうごく
すべてはつねに動き
つづけている。
この星がまわり
つづけているように。
あかるいなか
ふと、
海の声が聞こえたようにおもう。
海はいう
これからも ともに
「これからも、ともに」
そのことばを、
胸に身体に大切にうけて涙ぐみ、
大きくうなずいて
かえる
お辞儀をして
今日の日にかえる。

拝啓
昨日はうんと強い風がふいたので、
今朝は長靴をはいて
仕事前にすこしだけ浜へ寄って、
若布をひろってきた。
好物のめかぶも
ふたつばかり
ぷりぷりのやつを拾う。
今夜は実家へいって
若布しゃぶしゃぶをする。
昨年張りにもっと本気で拾うのは
次の機会にしよう、なんて
おもっているうちに期を逃さないようにしなくては
ならぬ。
同じように、でも若布ではないなにかを
拾いあるくおばさまに、
その赤いのはなんですか?
と訊ねると、
ふふ、天草ですよ
と教えてくれる。
真似してそれもすこし
拾う。
帰り際、
海にお辞儀してゆこうとすると
さぁーっと波が寄せて
長靴の足を洗う。
握手を、しているようだった。
さてさて
昨年大阪の 「410」 さんでご一緒させていただいた
遠藤恵さん。
ほんとうに素晴らしくて、
やさしく
気持ちがいい唄と音楽を奏でる方です。
このたび、恵さんにお誘いをいただいて
なんと、憧れの「旧グッケンハイム邸」で
ライブをさせていただくことになりました。
ありがたや!
そんなわけでして
来週日曜は、神戸に参ります。
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「あさの物語」
日時 2015年3月22日(日)
会場 : 旧グッゲンハイム邸
Open : 18:30 Start 19:30
料金 : 2,500円(堀江座おやつ付)
LIVE :
the yetis
http://the-yetis.jimdo.com/
遠藤恵 with 児玉峻
https://www.facebook.com/solo.endomegumi
FOOD : obrarte
堀江座
MAHO-ROBA
会場装飾 : Stolo coji
・ご予約とお問い合わせ
旧グッゲンハイム邸
神戸市垂水区塩屋町3-5-17
TEL 078-220-3924
http://www.nedogu.com/
E-mail guggenheim2007@gmail.com
ご予約の際、お名前、お電話番号、枚数をご連絡ください
http://www.nedogu.com/
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素晴らしい夜になる、と妙に確信します。
お出かけください。
お待ちしております。
敬具

このところ、
この手でこしらえるという体験に
娘とはまっている、そもそものきっかけは
親しい親子からすすめられて観た
「リトルフォレスト」
という映画だった。
その原作が、
五十嵐大介氏の描いた漫画
「リトルフォレスト」
だと知り、
これまたその本を借りて
読んでいる。
ここでは自分の手足、または山森大地の育んだ
恵みをこの手で頂いて
それでもって
美味しいものをこしらえて、
食べて、
生きる、ひとりの女の子の姿が描かれる。
なにかこう、
根源的なところをつかまれたように
おなかがすく。
そうして、わたしも
この手でもってつくり、
それを食べたくてたまらなくなる。
わたしは食べるのが、
とてもすきだ。
ほんとうのものは、
美味しい。
美味しいものは、
嘘のない味がする。
生きてるっていいなあ、と
心も身体もいう。
ひっつみ汁
甘酒
パン
ごま塩
ハコベを摘んできて、歯磨き粉
(これは食べ物じゃないけど)
わたしもすこしずつ、
こうやって遅ればせながら
自分の手と、自然すべてとともに生きる
そういう生き物へ、なってゆく。
否定ではなく、
批判や不平不満でもない、
暮らし、生きていることの細部ひとつひとつが
わたしの、こたえであるように。
その波紋が広げてゆく力を
どうも、ほんとうのことだなと
今は感じる
のです。
さてさて、
2月にはじめて試みた
小さな朗読とうたの会。
間際の告知にかかわらず
いらして下すった方々、ほんとうにありがとうございました。
小さな灯りをともして囲むわを、
幸福に、うれしく、味わいました。
つづいて3月開催のお知らせです。
このたびの物語は
「りゅうのめのなみだ」
はまだひろすけさんの名作を
つづけます。
さてここでふと、
いただく料金について考えました。
ひとりひとり、日々の暮らし方やお財布の具合も異なります。
感じ方や受け止めかたもまた、ちがう。
だから
自由料金としてみます。
おひとりおひとりのお気持ちが動いた分を
いただけたなら幸いです。
たとえば、お金だけでなくてもかまいません。
庭で採れたお野菜や食材、ごはんにおやつ…
あらら、これじゃあ食べ物ばかりですが
もちろんなーんでも。
ただ、かたちに残る物の所有はあまり増やしたくないので、
その点だけちょっぴりご配慮いただければ
うれしいです。
既存にはあまりなかったような
ちょっとあたらしい、
お互いに気持ちのいい
自由なやりとりを
ここで試みてみようとおもっています。
またもやお知らせが間際となってしまったけれど
詳細はこちら
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ちいさな朗読とうたの会
ものがたりをすこしばかり
vol.02 「りゅうのめのなみだ」
3月18日(水曜日)
14:00~
場所 : umi studio 1F (葉山町堀内1254-2) → ●
自由料金 (オーガニックのお茶つき)
朗読とうた : 里美 (the yetis )
お問い合わせとご予約 : satomikan_y@yahoo.co.jp
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春の午後、
おとなさんもこどもさんも
どうぞのんびりとお出かけください。
のんびりとお待ちしております。
かしこ

いいも、わるいもない
それを超えたところで
つきあっていく
共同体。
ということばが
こころに、ずっと残っている。
先日、
娘の通う土曜日だけのシュタイナークラスが主催する
親のための勉強会で講師にいらした
ヒロ歯科院長・高澤博幸先生が講座でおっしゃったことの一節。
先生は患者さんを診察するとき、
わるいところを探す
のではなくて、
この人の歯と口の中はどうなっているのかな
というふうに診る、という。
講座の際中、わたしが走り書きしたメモがある。
向かう相手を追い詰めない
一緒に歩いていくんだから
いいわるいがないところでつきあっていく
共同体である
それには本音で話すこと
覚悟があれば、大丈夫
気楽に、
あせらないこと
とある。
「よく噛みなさい」
より、
「おいしくたべようね」
すいすい、まるで飲むようにして食べる娘に以来、
食卓でいう。
おいしく、味わってたべよう。
この先生の言っているのはなにも、
歯に限ったことではなかろう。
この
混沌とさえみえる世の中全体を
ゆるめ、
光を注ぐ糸口をみたような気がする。
わたしもそのような一匹であろう。
ありたいとおもう。
春一番のような
風がふいている。

拝啓
ここのところ、娘と
「自分の手でこしらえる」
ことの愉しみに夢中である。
先日、ばっけ味噌をふたりでつくってみた。
ばっけ
は、おそらく東北の呼び名で、蕗の薹のこと。
生を刻んだだけのそれは少々
正直ゆって苦かったので、
今度は
庭で摘んだふきのとうを、
さっと茹でて、刻んで、炒めて
みりんと砂糖と味噌と和える。
味噌は昨年仕込んだもので、
今回は友人のすすめで最後のふたに酒粕を敷き詰めたので
黒カビもまったくつかず、
すこし甘味があって我ながら、なかなか美味しくできた。
それから
一昨年母が梅をつけたときにもらってから
ずっと食べきれなかった
梅紫蘇を天日で干して、
乾煎りして、かりかりにしたところを
すり鉢で擦って、
同じく乾煎りして擦った塩を合わせて
ゆかりをつくった。
途中、すり鉢ですりつぶす紫蘇が黒くて
なんか、土みたいだね…
と不安だったけれど
出来上がればちゃんとすっぱくて、色も濃い紫で、香りのよい
ゆかりとなった。
娘にラベルを書いて、貼ってもらう。
とても、愉しくてたまらなく、次はなにをつくろうかしら、と
考えている。
娘は人に指図される、というのが
好きではないらしくて
(これには、共に台所に立つ私の在り方にも責任があったと思う)
これまであんまりお手伝いを積極的にやるほうではなかったけれど
ここのところの、この、
いちから仕上げまでをこの手でやる
というのが彼女には面白いらしい。
そして、美味しいらしい。
誘うと、のりのりでのってくる。
庭や、裏山には、どんどん植物が顔を出す。
庭のキエーロなるものに、
生ごみを埋めて分解してもらうための土を掘っていると、
みみずがいる。
啓蟄
いのちうごめきだす、よき季節のはじまり。
さて、
the yetis 田川薫 が主宰する、あたらしい場
umi studio 1F にて
初めてのライブイベントを行います。
福岡より、素晴らしいウクレレの奏者
zerokichi さんをお招きして
豪華、2本立てのライブです。
フードは葉山のみねあゆみさん。
背景を聞けば、驚くような腕を秘めていらっしゃるこのかた、
そのお料理も今から愉しみでなりません。
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2015 , 03 / 16 (mon)
「今日の日にようこそ」
場所: umi studio 1F (hayama kanagawa) →●
open / start 18:00 / 19:00
\2,000 (1drink 込)
*限定25名までとさせていただきます。
LIVE
・zerokichi (from fukuoka)
www.yakuin-records.com
・the yetis
http://the-yetis.jimdo.com/
DJ
anmo
FOOD
みねあゆみ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
春の夜、
葉山へおいでください。
お待ちしております。
敬具
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