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  日々、ミカンのこと                 

nalu

二十ノ歳 

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この二月の初め、
娘は二十歳になった

その誕生日、
娘の高校時代の親友ふたりがはるばる
ここを訪ね
共にお祝いをしてくれた。

娘の好む曇り空の日で、
海は空にとけるような色をしている

ひとりの弾くピアノの伴奏に
三人の歌声が響く。
そう、この子らの通うた学校では年中
なにかといえば合唱をしていた。
音楽の授業のすべて、
行事事のすべて、
歌声でふるえ満ちていた。

夕飯の支度をしながら
台所でひとり
嬉し涙をこぼす
そしていつの間にかわたしも歌っている。

わたしと息子ふたりでは到底
ここまで素晴らしきお祝いはできえなかっただろうと
心から深く、若きふたりに感謝する。

ああ、そして
この子を授かって二十年が経ったのだなとおもう
しみじみ
実感のあるような、ないような頭で
そうおもう。

娘から
親友ふたりが到着する前に
抱えた包みを手渡される。
赤いリボンが結んである。
その蝶々結びを解くと中から
ふわふわのボリュウムあるストールがあらはれる。

淡く青色に毛糸を合わせ
アメリカにいるころから編んでくれたものだった。
そういえばここのところ夜にこそこそ
二階に上がってからなにかしているようだった。
この青の色柄はここ、
ママの生きる高知の海をイメージしたんだよと
娘云う。

成人式の日の夕飯に
ふたりで食事に行った時も
花束をくれた

その花は奇跡のように長持ちして
今もピアノの上
うるわしく咲いて在る

ああ歳月は


娘には
わたしには見えぬものたちがみえる
それ知らぬゆえ
見えぬゆえに彼女の
いくつものなにか、
蕾、やはらかな花弁のようなものを
ふみつけ、むしってしまったことが
これまで幾度あったことだろう

それでも
いまこうして
娘の
彼女のこのままあってくれることを
深々と感謝する

不安と罪悪感は
いかなるときも不要
ときく

だから娘に
二十歳になった彼女に
ただ
心からの
ありがとうを
云おう

ありがとう
生まれてきてくれて
ここに
そのように
生きてくれていて

ありがとう

冒頭の写真は
美しい音色でピアノを弾く
娘の親友がこの日
おさめてくれたもの

わたしは
うみのなみのような
青色のマフラーをまいて
今日も居る



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音、記録と記憶 

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一月八日
鎌倉山
HIMMEL

nalu / KENJI KIHARA / HIMMEL
音の記録
Kihara Kenji さんが録音、編集してくだすった

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こちらで聴くことができます。

- [うみとなる}
https://youtu.be/OIFB1TasEC0

- ひふみ
https://youtu.be/p_6D53a_jqE

- うみとなる 合唱
https://youtu.be/5SDKdyjcrY8

- 山賊の唄
https://youtu.be/4DchUb6L8Ic


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あの日の
音、記憶の断片が蘇えり
静かに震える

あの一度きりの
場の、音の、かけら、断片
それらをこうして共有しうることに感謝

そしてこれらを
丁寧に、愛をもって編集、公開してくれた
けんちゃんに
深く深く感謝

またどこかでご一緒できることを
愉しみに、願っている



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