
おやおや、もう10月である。
数日前、
ほんのり漂いはじめた金木犀の匂いが
日に日に増して、
もう結構な濃密さで町中にある。
ぼやぼやしているうちに、
とっとことっとこ次の季節。
早っ。
先々々週くらいの日曜日。
重たい腰をあげてようやく
一本の映画を観てきました。
『闇の子供たち』
坂本順治 :監督・脚本
劇場で随分前にチラシを手にして以来、
ずっと気にはなっていたけれど
ここのところ、
どうも心の塩梅が芳しくなかった私は
なかなかどうしても、
観ることができなかった。
早々に観てきた父母、妹に
「あんたも観たほうがいい」
とさんざんゆわれても、です。
ところがころり。
新聞広告を見て
明日舞台挨拶でブッキー
(むろん妻夫木聡 氏のことであります)
出るらしいから
あんた行ってきなはれと、父が言い出し
そうそう、と母もゆう。
ましゅまろは預かってあげるから。
どうせ観るんなら、
そらブッキーみれたほうがよかろう
だからほいほいと
毎度のことながら、寛大な父母よ…。
蛇みたいに長い列に並び、
有難いことに前から3列目!
浮かれましたがこの作品。
ご存知の方も多いかとおもわれますが
タイでの
子供たちの売買春や臓器移植のための人身売買
というかなり深刻なテーマを扱った
作品であります。
こう文字で書くと、
さらりとなんだか分かったような気がするけれども
この作品は、
一度は耳にしたことのあるこの言葉が
現実として
一体どういうことであるのか?
っていうところを
生々しく突きつけています。
詳しい内容については、
ここではこれ以上言いませんけども
わたしも心底
なるたけ多くの人にみてもらいたいとおもいました。
しばらく頭から離れなくて、
寝ても寝てもその夢ばかりみたけど。
あまりの酷さに力が抜けようとも、
怒りや悔しさで呆然としようとも、
目をそらさずめつめるため、
この作品はつくられたのだとおもいます。
想像を超える苦しみの上に
この映画を完成させたであろう坂本監督に
目の前で拍手できたことに
感謝しつつ。
へなちょこ我輩にきっかけをくれた妻夫木氏は。
この事実を知ったとき、
僕にできるのはただ
役者として演じることだとおもった
と語り、
この現実をなんとかしたいと感じた皆さんも、
ひとりひとり、
ご自分にしかできないことをすればいいんだとおもいます、と
まっすぐにいいました。
とりあえず、
まずわたしにできることは
ここで皆さんにお薦めすることかしらと
載せてみた次第です。
ずいぶん遅くなってしまったけれど。
坂本監督はこの作品に取りかかるとき、
今の時代に、こんな重たい映画を一体誰がみるんだ??
と、ゆわれたといいます。
全国でたった7館で封切られたこの作品が
話題を呼び、
100館までに上映が広がったというのは
それだけ多くの人が観ているということ。
この時代、この日本も
まだまだ捨てたもんじゃないやんけとおもいました。
ぜひぜひ、劇場に足を運んでみてください。
久方ぶりで
おやおやちょっと長くなりました。
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