
もうちょっと時期は過ぎてしまったけれど、
今年は枇杷のあたり年だ
ということです。
大すきな友達の大すきな父さんが
娘の結婚式を翌日に控えた朝、
近所の水路脇に生えた枇杷の木から
こらしょっ と
うす橙色の実を採って 食べさせてくれました。
みずみずしくて本当においしかった。
採っても採っても、まだまだまだカラスの分はあるとみえ
田舎のカラスは食べ物がいっぱいあっていいね、
とましゅと話す。
あたり年なのは徳島だけなのかとおもったら、
こちらに帰って数日後。
群馬に住む母の兄が
今年の枇杷はすごいからといって
どっさり送ってきてくれました。
なんだいなんだい、こっちもかい!
おじさんのうちの目の前の公園に
枇杷の木があったけど、
まさかあすこから採ったわけじゃないよねと
母と妹が話して尋ねてみたところ、
むろん その木の実だよ
という答えが返ってきたらしい。
……。
おじちゃんらしいや。
魚釣りが上手で、山菜や草花の名に詳しい
私のすきなおとなのひとりである。
妹はむかしから枇杷が好物で
高知に住んでいた中学生の頃。
下校どき、
道脇に生っている枇杷の実を眺めていたらば
通りがかりのおじさんに
「とられんよ 」
と、ゆわれたと半べそかいて帰ってきたことがあった。
本気でみてただけだったのに…と
今話すときでさえ怒っているけれど、
よほど食べたそうな顔をしていたんだろうなあとおもう。
わたしは今年、
枇杷がやたらとおいしい。
日本にもともとあるような果物は
甘みがうすぼんやりしていて、
あとすっぱかったりして
昔は苦手だったけれど。
今もアケビだけはおいしいとおもえないけど…。
オレンジより甘夏、
外国のより日本の果物。
ここでもひとりフードマイレージキャンペーン
なんであります。
そうそう枇杷。
枇杷のおしりはなんだか生き物に似ている。
うぶ毛の生えた割れ目は
うさぎとかなにかの口か鼻のようで
今にもしゃべりだしそうだなとおもう。
つるつるころころした種を
洗って乾かして、
そしたらどんぐりみたいに遊べるかしらと
窓辺に転がしてみている
今日この頃であります。
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