
先日、気になっていた映画をみました。
「100,000年後の安全」
マイケル・マドセン 監督
10万年。
というと
今からさかのぼればネアンデルタール人などが
地球上にいた頃にあたるのだという。
ではいまから10万年後
この地球はどんなふうだか。
たとえば人間はいるのかしら、ということさえ
まったくだれにもわからない
未知のこと。
さて今、こうしている間にも
稼動している原子力発電所からは刻々と日々
高レベル放射性廃棄物がうまれ続けている
大量に。
それらが危険でなくなるのは
10万年先。
「地層深くに埋めるからだいじょうぶ」
なんていうお気楽なCMや広告をみたことがあるけれど
実際のとこ
だいじょうぶだなんてだれも本気で思えないから
いまだ埋め場所も決まらず
行き着く先を宙ぶらりんにしたまま
この国は
原発をつくり、動き、増え続けてきた。
お金をあげるからどう?と地方にちらつかせて
候補地を募り続けている。
この事故をうけてもなお
原発は必要だと言い張る人々もいらっしゃる。
そんな仕組みを長々と作ってきたのはどちらの政党だったかということも
忘れないでいただきたい。
さて映画は世界で初めて
その永久地層処理場の建設が決定し
現在も建設中
フィンランド・オルキルオトの
ドキュメンタリー。
ここでは施設が完成した後、
遠い未来
10万年先まで
ここは危険だから絶対に触れないように
掘り返さないように、
どうやって伝えればよいのか、という現実に向き合う。
言語は通じるのか?
好奇心を刺激しないか?
誰も答えを持ち得ず
まるで賭けでしかない。
だって私たちは古代の遺跡を発掘し
その意味を解明できずにいるのだから。
こんな無責任でこわいことを、
私たちはしているのだと知る。
一体何と引き換えに、
私たちは原子力を使うのかをみる。
原子力にはしりだしてしまった人間
は
くるってましたね
とわたしはおもう。
事故後の応対の悪さはあったにしろ
ようやく目が覚めたように
浜岡の原発を止め、
自然エネルギー推進や
発送電線分離などを声高に唱えだした途端、
首相を引きづりおろそうと躍起になっている大人たちをみていると
かなしくなってきて、
まかせてはおけない。
この国はどこへゆくのか
全員に訊いて見たらいい
イタリアのように。
この映画、よければ
ぜひみてみてください。
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