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  日々、ミカンのこと                 

satomi yamada

沈丁花 

四季 |

沈丁花


いっぺんに、春がきました。



自転車のペダルをこいでいると、

空気の中にすっと花のにおいがして

「じんちょうげ だ」

と、口にだしている。

春の間に何度でも。

それくらいに、この花のにおいがすきです。

とびぬけに。



それはもう

物心ついたころからのずっとで、

小さい頃

野原に咲くシロツメクサと、庭に咲く沈丁花が

この世界で一番いいにおいのする花だとおもってた。



すいこんでもすいこんでも 足りないくらいにすいこんで

いた。



小さな頃住んでいた北国の、

小さな家の小さな庭に 小さなこの花木があって、

春になると花に鼻をくっつけて

春になったことのぞくぞくを 体いっぱいに溢れさせていた

そんな記憶があります。



トクベツすきだったこの木の下に、

死んでしまったハムスターの

その ちっさい毛のはえたからだを

泣きながら埋めたことも思い出す。



ふくふくと始終こまかく動いていた口もとのひげも、

ひまわりの種を上手に剥くピンク色の手も、

ブリブリしたおしりも、そのしっぽも、

もう微動だにしなかった。

一体このカラダから何が無くなって

こんな風に死んでしまうんだろう。

今でもそれは ほんとのところよくわからない。



あの頃住んでいたあの小さな家に

今はだれが住んでいるんだろう。



そうそう 沈丁花のはなし。

小学生の頃、『沈丁花』 という題名で作文を書いたほど、

わたしはこの花がすきなんである。

あの庭の木は今でもあそこに立ってるだろか。



花自体はうんと地味で、

鼻をくんくんやってようやっとこの花をみつける

近頃、春の道です。

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