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  日々、ミカンのこと                 

nalu

上昇するループ 

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2012.サンフランシスコ 010

時折、世界は一変す。

同じ、ということはいつもありえないのだ。

振り返れば、変わらぬようにみえることも
それは時々に動き続けてきたことの
たまたまの結果に過ぎない。

そう、わたしは常々おもっている。

だから安定に憧れる。
ルールや形、肩書にがんじがらめになっているのとは違う、
完全なる不変、というものに憧れる。
たとえばイカ、タンチョウ、切られても立つ木。

けれども自分自身をみればどうだ、
記憶喪失かとも思えるほど
いろいろを忘れ、呆然と立ち尽くすこと多い。


動かぬ、と決めることに強さや真実はあるか。

むろん真実はどこにでも存在し、
それらは矛盾し合えど、どれも成立す。

ここにいる者の心ひとつ、なのだ。
神様はいる、いない、と同じように。


わたしはふと思い出し、
心にたたきつける詩がある。

・・・・・・

自分の感受性くらい    茨木のり子


ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもがひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

・・・・・・・

ふと、誰かのせいにして
何かのせいにして腹を立てていたなら、
それは本当は
自分自身のこと。

根本を解決する糸口は
わたし、自身が持っている。
わたし、自身が
変わることなのだ。


同じようなことを繰り返し
ゆっくり、弧を描く

そのループは少しずつでも
上昇、しているようであるといい。




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