
十五夜
9月のお月見は台風で、
雨風がどっとくる間際の山へひやひやしながら
娘と駆けて行って、
すすきを摘んで、
団子をこしらえた。
暴風雨のなか、目で見る月はあきらめて
娘は布団のなかで、月の下、
私は真夜中の台風の切れ目に、
雲の走る空の闇のなかに丸い月をみた。
お月見は2度あるそうで、
十三夜
10月27日を心待ちにしていたのだけれども
うっかり、
忘れたまんまに通り過ぎてしまった。
3日後の満月、
娘と遅ればせながらベランダへ出て月をみて、
まるいねえ
などと言い合った。
教わった話によると
言い伝えでは、
十五夜と十三夜、その両方にお月見をしないと
片見月
といって、縁起がよろしくないそうである。
それではいけないとおもって
お月さんに声掛けをして、
団子の真似をしてまるまってみせると
娘も真似をして団子の格好になった。
お月さん、これでどうか
堪忍ね。
そうして
来年こそは2度、お団子をつくるのだ。
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