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  日々、ミカンのこと                 

nalu

時の間 

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saga


ふと
こんなことをおもう。
時間など
流れなかったかのようだ。

時間とは
なんであるか。

赤子に生まれし子が
あるき、しゃべり、
ドアをばたんとしめて飛び出してゆく。

あるいは
ことばを書いた小さな紙きれをくれる。
ごめんなさい、だとか
ありがとう、だとか
だいすき、だとか
シンプルなことば
ありきたりではあるけれど
胸をうつ、ことば。

その文字が次第にすべらかになってゆくこと。
そうしていつか
産みおとしたものを追い越し、
そうしていつかはなれてゆくこと。

同時にまた
切っても切れぬものでつながってゆくこと。
降り積もる地層のように。

怒り、にも
言い争い、にも
ときに破壊的な衝動にさえ
ちょん切れない一本の線を強固にしてゆくこと。
その蓄積の層。

あるいは、いつか
すべてはきえてゆくこと。

みえないばしょからやってきたものがまた
みえないばしょへと還ってゆくこと。
灯りも、
ステップも、
暮れゆく空も、
みなくりかえしくりかえし
回転して回転して
空へとかえる。

不思議な世界で
わたしたちは生きている。

刻々と夕空は深い闇となり、
そうしてまた
朝がくる。


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