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  日々、ミカンのこと                 

nalu

ほんとうのこと 

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2014,10 satomi 008

あけまして
おめでとうございます。

あたらしいとしが、あけました。
なんだか空気そのものが
きらきら、
眩しいようにも感じる新年です。

昨年はほんとうに
ありがとうございました。
おかげさまで、こうしてここに、いられます。

さて昨日は
七草粥を食べる日。

一月七日の朝にいただく
七草粥、のななくさは
これまでずっと、スーパーマーケットで買っていた。
昨年あたりに、
知人のお母さんは七草を庭先で摘んでいるときいた。
なぁに、七草ちゃんとそろわなくたってへいき。

なんだか私には、七草違いなく揃うスーパーのパック詰めよりも
庭で摘む、たとえばハコベひとつのほうが
ほんとうのことにおもえた。

のを、
新年早々のスーパーでの七草売り場でパックを手にしながら
おもいだす。
しばし悩んで、パックから手を放してその日を迎えた。

前日、朝から風がびゅーびゅーで、お昼には雨が降り出した。
私は娘から借りた植物図鑑で予習をしてから
家の周りをぐるり一周、地べたに顔をくっつけるようにして腰を曲げて
七草を探した。

ハコベはすぐに間違いなく見つかったのだけれど、
なんとなく、これはごぎょうかな、ホトケノザかな、ナズナかな、
あら、小さいフキも七草じゃないけど入れちゃいましょう、とかいって
その身を頂く。

けれどどうしても、芹だけはみつからない。
芹は田んぼに生えているのを知っている。
けれど外は雨だし大風だし…と
娘に、
いろいろ入れて七つあるからよいよね、というと
えー、セリないの?
と、王様みたいなことを言ってくる。
七草揃わなくって、1年健康に過ごせなかったらどーするの
とまでいってくる。
(だったら自分で摘んできてほしい)

翌朝、七日。
目が覚めて、時計をみて、さむくって、
布団の中でもうすこしぬくぬく、あと5分、あとすこし、
の繰り返しをいつもより短めに切り上げて服を着て、
自転車に乗って田んぼへゆく。

そこには小さなお社があって、
田ノ神、森ノ神、天の神、
に手を合わせ、
新年のご挨拶と、昨年のお米の実りのお礼を込めて
祝詞をあげる。
と、
頭の上の木にたくさんの鳥が寄ってきて
ちきちき、ちゅくちゅく、ピぃぴぃと鳴く。
ときおり、
ひゅううと風がふいてゆく。

そうして青々と瑞々しく生えた芹を摘んで、
庭先で見たよりゴギョウらしい草や新鮮なハコベもいただいて、
礼をして帰る。

前日の強風のため、
2階の娘の部屋は雨戸を閉めていて真っ暗闇。
そんななか眠り続ける娘を起こして、
一緒に茹でた七草を刻む。
いつからか、母がそうしていたのに倣って何故だかうちでは
七草を刻みながら七草の名を順に唱えて歌う。

ごぎょう はこべら ほとけのざ
すずな すずしろ せり なずな

今年は先日のちゃんこ鍋の残り汁でこしらえた雑炊に
その七草をのせて頂いた。
芹の香りがとても清々しい。

娘は、朝起きて摘んできた芹にどれくらい感激してくれたのか
定かではないけれど、
静かにその光景とやりとりが彼女の中にのこるといいなとおもう。

そんなわけで、
身の回り、自ら摘んでこしらえた七草粥は
むろん、美味しかったのである。


過去も、未来も、どこにも存在しなくて
あるのはただ 「今」 のみ、なのだという。
だからこそ

ふと、立ち止まってはこんなふうに
ほんとうはどっちかな?
を、小さいながらにくりかえしながら
わたし の いま 感じる ほんとう 
に、手を伸ばしてゆく一年としようとおもう。

己も、ほかのすべてのものも自由であるおおらかさで、
焦らず急がず、ゆっくりと
今 にあたりながら
祈るように、一日一日を
おくりたいとおもう。

本年もよろしくお願いします。

かしこ


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