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  日々、ミカンのこと                 

satomi yamada

台風 

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台風を前に
夕方の海へゆく

さすがにがらんとして
雲は風に乗ってはしり
雨をみっちりと含んでまばらに滴がこぼれてくる。

波おおらかに盛りあがる
白波を抱えわになって、はじける
あわになってそこらじゅう平らかにひろがる
ぷちぷちと音がする
水に金色、銀色の、
ひかりなめらかにゆれ、うごきつづける

なまぬるい風、やってきて
やわくつよく身をあらってゆく

向こうの雲から雨、海に
斜を描いて注ぐのがみえる
あんまりきれいで、なみだがでる

すべての色、刻々とかわってゆく
雲、空、ひかり、刻々とうごいてゆく

なんとほんとうで
うそがみじんもなく
こんなにうつくしいことを
何がみようとみまいと
惜しげもなく
一度きりにこう
繰り広げる姿からはもう
離れられなくなる。

かえって夕ご飯をつくらなけりゃ、
雨ひどくなるまえにかえらなけりゃ、
となんどもおもうのだが
うごけない


わたしは
ともすればすぐに
人間であることが耐えきれなくなるような
あちらへいってしまいたくなるような性質があって
だからそれはつまり世間で言うところの
あれなんだろうけれど
名前とか、処方とかそういうものに頼る気は毛頭ない。
だってそれではなんの解決にも助けにもならない。
きっと少なからず、誰しもにやってくる波のようなもので
だからわたしはこれを、ともにして生きなけりゃならない。

生き繋ぐには
うみとか
やまとか
草花とか
風とか雲とか
すっくとたつ木の姿だとかが
わたしには
必要で必須


そういう人間も
こうして
こういう
まじりっけなしの
ほんとうを、
こうまで
堂々、目の前にすると

ここに生きることを
いまを生きていることを
幸せだと
心とからだ、その底からおもう。


ありがとう
あいしています

うみへのそれは
ずっとずっと言っていても
わたしには足らない

人は所詮
失敗とかおかしみとか、情けなさをくりかえして
生きているのだ。

おろかなことも
はずかしくなるようなことも
それが今の精一杯
出し惜しみなくやってさえいることなら
それはみなひかりになっていく。
そうあれたらいい

だからためらわず
すがりもしない


きょうもありがとう
またあした
を心から何度もいってふりかえり
ペダルをふんで
かえる


我が娘、待つ家に
かえるのだ




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