
ある日を境にやってきて
街中をすっぽり、
濃密に満たしていた金木犀の香りが
またこれ唐突に
ぴたりと消え去ったことにおどろく。
季節はまた先へと
すすんだのらしいです。
徳島にすむ友人のおうちから
今年も素敵に青々とした
スダチを送っていただいた。
秋刀魚にはもちろんスダチ
焼き茄子にもスダチ
釜揚げにもスダチ
夏の残りのそうめんにもスダチ。
友人のうちでは
刺身や味噌汁にまでスダチをしぼる。
むかし、
秋刀魚の目玉が好物だった娘も年々
その身を
きれいに食べられるようになってきた。
お皿の中にきれいに骨だけになった秋刀魚殿の姿は
清清しく、その骨を
かりかりに揚げてせんべいにしておくれとまでいう。
ぴんとした秋刀魚を焼いて、
その熱々をいただきながら
刻々と日々
秋深まってゆくであります。
10月だものね。
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