
小さいころ
祖父と祖母が仏壇に向かって毎朝
般若心経を唱えるのをみた
ごくたまにしか会えない
大好きなふたりが並んで
朗々と念仏を唱えるこえを
その背中を
記憶の中にみる
今でもときどき
じっとみる
おとなになってからふと
そのことを思い出して
般若心経を唱えてみたことがある
何度かある
繰り返してみるのだがこれがちっとも
覚えられない
自慢ではないが
わたしはわりといろんなことばをそらで覚えるのが
昔から苦手ではない
でもなぜなのか
こればかりはちっとも、
まるごとを覚えられなくて
だからといって覚える努力をしてみるでもなく
ただふしぎと
歯がゆいようであった
漢字ばかりでその意味がこちらへ
入ってこないゆえか
長いからか
わからない
そんななか
子どものころから唯一あたまにはりついて
わすれられない箇所がある
羯諦羯諦
波羅羯諦
波羅僧羯諦
菩提薩婆訶
ぎゃていぎゃてい
はらぎゃてい
はらそうぎゃてい
ぼじそわか
長いこのお経の中で
どうしてここだったのか
わからない
響きが面白かったのかな
くらいにおもっていた
ら
あるとき山のスコレーの小川くんと
ふと般若心経の話になって
このことを話した。
ら
般若心経はあれやで
その部分だけ覚えておいたらええのんよ
と
いわれた
はて、なぜなのか
よくわからないけど
そうか、じゃこれでよかったんだ
なんてことをのんきにおもっていた
ら
ある日、BOOKSHOP Kasper で
ふと
「読み解き 般若心経」
という本を手に取った。
著 伊藤比呂美
そこにかかれていたのは
前に小川くんのいっていたことと
同じようなことで
あまりに面白く、
たまたまそこにいた小川くんにそのことを興奮気味で話したら
彼はすっかり、そのことを忘れていた。
そんなことあたし、いったっけ?
なんてことをいう。
以来、
この本のことが忘れられず
いつか般若心経をこの場でやってみたい
と
ひそかにもくもくとあたためていた。
以来、
毎朝祝詞につづけて
般若心経を唱えてみているのだが
やっぱり覚えられない
でもいいか
さて
すっかり秋も深まり
一五夜もこえ、10月のただなか。
a story of Oct.
小さなものがたりとうたの会
十月のおしらせです。
このたびも
cibo この場所で
ハタナカイクヨさんのおひるごはんつき
前回、しみじみと
これは完璧なチームかもしれない
と
涙ながらにおもいました。
このご縁にこころより感謝申し上げて
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2017.10. 31 (tue)
a story of Oct.
小さなものがたりとうたの会
読み解き 「般若心経」
伊藤比呂美 著
am 10:00 ~ 13:00
at cibo (葉山・上山口) → ●
place & food charge 2,000en (軽食とお茶、デザートつき) + donation
※おかげさまで満席となりました。ありがとうございます。
わ
になって、
めにはみえない音、声、ものがたりに
みみと
こころ
からだをほどいて
ひらく。
十月のものがたりは
「 般若心経 」
まっすぐ
正直に生き
それゆえ
こちらをまっすぐにゆすぶり響くことばを
この世へ送り出すひと
詩人・伊藤比呂美さんの
読み解きとともに。
いくつかのおとやうた
朗読のあとは、
母音を手がかりに
ご自身の声で
内面に、深く潜り
自分自身をととのえてゆくような
声のワークもおこないます。
わたしとせかいがひとつであるような感覚を
共振、共有してみたいとおもうのです。
おしまいには
料理家ハタナカイクヨさんのおひるごはんと
cibo の主 みとなさん手製のプチデザートとお茶を
しみじみいただきながら、
シェアリング
このごはんとおやつが毎度毎度
実にうつくしくって、ほんとうにおいしい。
ようこそおいでください
* お食事のご用意がありますので
ご予約を10月27日(金)までにいただけるとありがたいです。
satomikan_y@yahoo.co.jp
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知らぬうちに
ここを
あるいている
このばしょを
どこよりも
いとおしいとおもう
そのようにあればいい
刻々と立冬を控えた
神無月のおわり
風がふき
彩り踊る木々と大きな窓辺で
お待ちしております
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