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  日々、ミカンのこと                 

satomi yamada

コマユミ 

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盆栽


この頃、玄関に小さな木が生えている。


先日、那須にあるshozo cafeを訪れたときに会った。

お店の開店前に着いてしまったために
どうしようかしらとおもえば栗が落ちている。
拾えばまたあすこへも、栗がある。
みればそこいらじゅうに栗だらけである。

わたしは小さなころから栗拾いには目がない。

鼻をふくらませ拾っていると
かさかさ葉っぱを踏みしめる音がして
こちらへ熊みたいなおじさんがやってくる。
いかん、叱られるかと構えるもおじさん、
「こりゃ山栗よ、とびきり甘くておいしいんだ」
と、やさしい。
せっかくだからほい、いっぱい拾いなさいとビニール袋まで持ってきてくれた。

このおじさん、カフェの入り口にぶらりと
小さな盆栽を売りにやってくるのだという。
茜さん、とおっしゃる。
絵描きであり、陶芸家でもあるのだそうで
おじさんの人生や思想は実に愉快で素敵なのである。
(ぜひ、ご本人から聞いてみていただきたい)

風の強い日だった。

こんなに風がふいたんじゃ、並べた盆栽が片端から落ちて割れてしまう
といって今日は早々に店じまいだという。

茜さんが種から育てたミニ盆栽。
適当な商売根性でつくられたものじゃあない。

木は、生きている。
我々と同じ。
気持ちだって意志だってきっとあるのだろう。
その声に耳をすませ、
その子らしくあるようにと
目と心をかけて育てられる。

みれば、わかる。

私はふらり、電車とバスを乗り継いできたものだから
無事に持ち帰れるのか不安だったけれども
茜さんお手製の小さな箱におさめてくれるので大丈夫。

うんと悩んだけれど、
最初に目に飛び込んだちいさなエゾ松と、
おじさんが最初に選んでくれたコマユミを、
連れて帰らせてもらうことに決めた。


茜さんのお住まいはそこからほどなく、福島県内にある。
やりきれぬおもいを、わたしはきいた。


コマユミは、これから葉が色づき
紅葉してゆくのだそうだ。
毎朝、椀に入れた水にちゃぽんとつけて話しかける。

「毎日、ちゃんと木をみてあげること」

茜さんからの言いつけである。


わたしはいつか、福島に住みたいとおもう。
そこに生きるものになりたいとおもう。


この旅の大切な土産としたエゾ松は
福島を故郷にもつ知人の家で達者に、息をしている。



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