
はるか遠く
走ってもおおよそゆけぬであろう国へ
友人親子が移り住むことになった。
じわりと出発も近づいてきて
あと何度こちらで会えるだろうかと
指を数えて先日また
会いにゆきました。
娘がよちよち歩きの頃に出会って以来の
大事な友人で
娘同士はもう、
会えばずっとずっと遊んでいる。
彼女のうちへゆくと
一緒に台所に立って
わたしはたいてい何かをかき混ぜたりしながら
彼女のつくる魔法のようなごはんの
ほんのひとさじを教わったりする。
その日は
引越し準備で目も回るさなかだというのに、
お昼にと丁寧にパエリアを作ってくれて
よくよく噛みしめながら
おいしいおいしいといただいた。
わたしの誕生日が近いからと
夕暮れは川岸のカフェで
芝と水遊びに興じる子どもたちの傍ら
夕日が沈み、
星がまたたき始める空の下
食事をご馳走になった。
彼女のはからいで
ハピバースデー♪の曲とともに
花火のぱちぱちするお菓子のプレートまで!
贅沢な贅沢な時間を
いただきました。
ありがとうなんて
ことばじゃいつも足りないけれど
ほんとうにありがとう。
刻々と近づく出発の日には
もう
びしょびしょに
泣いてしまうとおもう。
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