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  日々、ミカンのこと                 

nalu

淑気 

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わたしたちの暮らす
ここ小さな集落には、
ぽつぽつその周りをかこむように
ちいさなお社があり、神様が祀ってある。

八幡宮
天満宮
山ノ神さん
恵比寿神社
金比羅宮

それぞれ年に数回礼祭があって
前日には町内放送のスピーカーから
ご神事は朝の何時からと区長さんの声がする。

先日は金毘羅さん春の礼祭があった。
むすこをおぶって、
山のなかの金毘羅宮をめざす。
なんとなくこっち、というくらいの見当で
行ってみたのだれど、なかなかみつからない。
幾度か道に迷いながら、
山の入口に白い軽トラが二台停まっているのをみつけて
この道でよさそうだ、とすすむ。

細い山道。
途中、草に覆われたうつくしい石垣がある。
棚田か段々畑だった跡かとおもわれる。
つわぶきがあちこち新芽をだして、
鶯のこえがする。

探検気分ですこし歩いていたむすこもふたたび
おんぶ、という。
たしかに、幼子には少々急な上り坂。

息をきらして、
緑のくねくね道をのぼってゆくと
朱いのぼりが見える。
ああこんぴらさんについた、ついた、
とむすこをおろす。

鳥居くぐり
てとてと、むすこあるいてゆくと
すでにご祈祷はおしまいのほうで、
なんとかぱんぱん、と柏手をみなで二回ならす。

青い竹にかこまれた
山中のちいさなお宮に
朝のひかり、
春のおと、くうき、けはい
やはらかく在る。

ほけきょ

あんな細い山道の、少々けわしい上り坂を
杖をついて、ご高齢のご婦人三人ほども来ているからおどろいた。
よくこんなところまで来たねといって
神様からのお下がりのお菓子やバナナをいただく。

帰りはまた杖をつきながら
わたしはむすこをおぶいながら
ご婦人方、道々つわぶきを摘んで
青い山道を下る。

わたしも真似をして
つわぶきを摘んで帰り、
はじめて炊いてみた。
蕗の香りがして美味しい。

そろそろ筍やね、
八幡さまの竹藪に生えるから今度
取りに行こうね、と
ご近所のキミさんがいう。

かわいらしい
うつくしい場所に
来て
暮らさせてもらっているなと
おもう。

ほけきょけきょ






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