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  日々、ミカンのこと                 

nalu

太陽と暮らす 

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ここは
おひさまのひかりが
つよい

夏はそれにより
どうしたらよいかわからなくなるほど
あつい一寸もあるが
秋夏入り混じる日々をゆき
いつのまにかの冬
その光
そのひかりのありがたさを
しみじみと感じ、受け取りながら暮らしている。

うちには目覚まし時計はなく
目が覚めた時が起きるとき
であるので、
息子は自然と太陽の上る頃に目を覚ます

裏の節子さんが日々決まって6時半に庭の洗濯機を回し始めるので
ああ、こんなにまだ暗いのに朝かいな
そろそろ起きなくてはなと思いながらも
ぬくぬくの布団にぬくぬくの息子
そのこうふくから抜け出せずにいる。

ゆえに、わたしも大概
お日様と同じに起きる
むろん冬には遅くなる

朝日が部屋を橙色に染める
そのきれいな光を家中に取り込むべく
カーテンをあける
この瞬間が好きである

温い息子を抱え便所に連れていきながら
今日のぼりたてのおひさまに挨拶をする
おはよぉおおーーーーーー
と、
両手広げて身体にひかりを浴び、膨らます
いつのまにか息子も
おーーーーー
と隣で言っている

二階は東向きの窓からまともに朝日がさし
ひかり満ち満ちているのに構わず
たいてい娘は眠り続ける
若いってすごいな
ちょっと別の生き物だな
と思う
思いながらも二階に行ってカーテンをあける

息子
姉のぬくぬく布団にふたたび潜り込み
しばらく遊ぶ
その間に
わたし
朝の所作、支度を順にとりおこなう

湯を沸かす
飯を炊く
今は亡き祖父母におはようを云う
神棚らしきものの水を取り替える
スワイショウを153する
真ん中、せかい、わたしに宣言、感謝、問いかけをする
地球歴を動かす
笛を吹く
朝飯の支度
しながら息子に果物
着物を取り替える
朝ごはんを食べて
保育園に息子を届ける
‥‥‥
などと順序入れ替わりながら続くが

わたしは朝のこれらひととおりのときが
深く好きである

この頃は
娘が出かけて不在のため
また少々趣も違ってくるが
それはそれでよく
どの日どの朝もうつくしく、ありがたい

窓からは

青々と波
海面に照りひかる
もうひとつの太陽
そのせいか
洗濯物もよく乾く

波音
風音
通りを走る車の音
カラカラ手押し車を引くヨネさんキミさんヨシコさんの歩む音
鳥の声
空横切ってゆく翼の音
波の音
波の音

青い
さまざまの
横縞の青い海の線
こちらへ寄せ
寄せては返す
波の線

たおやかな
太陽ととも
いま
生きている

一年で最も日が短く
暗く
闇の、濃くなるこの季節こそ
わたしの太陽
わたしのなかのお天道様
ひかり、
灯火を
赤々と燃やす
また
その火の鮮やかに、ここにあることを
意識し
それ
いとおしみ
天の太陽と呼応させ
やすらかに
ここに居よう

今日の日を
余すことなく
生ききろう


夕暮れには
外へ出て
お日様を見送る
ありがとう
また会おうと手を振って
暮れてゆく空の色
ひかりの粒、一番星
それらに深くお礼を言って
温かい飯を食い
温かな湯に入って
それぞれの
今日の日に
静かに幕をおろして、眠る
眠るのです。


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