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  日々、ミカンのこと                 

nalu

謝謝、sewing 

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2022年
4月11日月曜日
数年ぶりに訪れたソーイングテーブルコーヒー
桜の花弁がひらひらと
風にのって
舞い踊り
新緑の原っぱに
ふりそそいでいた

懐かしいかお
はじめましてのかお
かわらず、
月日とともにますます
愛らしさを深めゆくこの場所に
足運び、集ってくだすった方々
まことにありがとうございました。

木々ゆれたゆたう庭の
うららかな春
薄曇りから青空
夕暮れてゆく色、ひかり、
すべてが終わる頃には月が
ぽっかりと照り浮かび
蝋燭のあかりをたよりに
言葉を交わし、手を振り、家路につく

しあわせなときでした
ここへ来られるきっかけをくれた
すべての方々
けんちゃん、さっちん、
そして
あたたかく迎え美味しい珈琲を淹れてくだすった
たまけんさん、えみさん
ありがとうございました。

この日の記録、朗読したことば、
ひとつの文章をここに記します

----------------


記憶力のおぼつかないわたし
ではあるが

Sewing Table Coffee

この場所のことを初めて知ったのは
ボタンとリボン という一冊のちいさな本で
ここに くりひろげられる世界の
あまりに
寛いで 愛らしく 子どものときもっていた
あの特有のきらきらしたもの
それでいて
おとなであるゆえの やはらかく おおらかな
そうだな
懐を、ぱっとひらいて碧空のしたで
原っぱの上を裸足で
スカートをひらひらさせて踊り、駆けているような
そうして
ぱっとねころんで
木々のゆれるのや草花の気配
ここにある鼓動、
このせかい全体を しずかに
見上げているようなかんじ
そう
想像 よりひとつ上の
天国みたいなところだ

その頃いくつだったのか
もう思い出せないけれども
いまより
ずっと若かったわたしは
そうおもった

なんて素敵なところがあるんだろ
なんて素敵なひとたちがいるんだろ
なんて面白い生き方があるんだろ
なんて面白いせかいが
このせかいのなかにあるんだろ

そう
わくわくしながら程なく
わたしは
このなかの一頁の写真に憧れるように
ウクレレを買った

でも後 その写真にうつっているのは
ウクレレではなく
バンジョーやミニギターであったことを知るのだが
そんなこまかなことはどうでもよい

そうなのだ
そしてその前だったのか後だったのか

その本を一体どこでわたしは手にしたのだったか
わすれてしまったけれど
とにかくわたしは唄を
どうしても唄いたいのだという衝動が抑えきれず
こぼれんばかりになったので
それをあるひとに唐突に打ち明け
バンドを組み
人前で唄をうたうようになった

そして数年後
それはほんとうに夢みたいだ
夢なのじゃないか
となんどもおもったのだが
それは夢ではなく
その憧れの場所
Sewing Table Coffee

唄をうたった
それはそれは
夢みたいな夜だった

アルプス
そうだ
山のかたちを模したケーキを在る方が焼いてくれて
それをみなで
半分泣きながら食べたのだった
むろん
うれしくて
こころと身体からそれが
あふれこぼれふるえながら

あれが
数えてみれば
おそらく 8 年前
そうか
あれから 8 年が経ったのである

その間に
さまざまなことが訪れ
さまざまな思い、出来事がそれぞれにわきおこり
泣いたり
嘆き哀しんだり
ひるひるに弱り果てたりもして
それでも
それぞれに生き

懸命に生きて
このせかいにとどまり

うみをみて
まいにちのようにうみをみて
自転車をこぎ

泣いたり
わらったり
たべたり
ねむったり
うたったり
寛いだり
緊張したり
浜辺をあるいたり
しながら
月日は流れ

そうするうち
あのときあんなにも
この世の生き方さえわからなくなるような
哀しみや
くるしみや
七転八倒
歯を食いしばって生きながらえたことさえも
ああ
なんだ
それぞれに生きていただけなのだ

ただそれぞれに
それぞれを懸命に生きていただけなのだ

そして
わたしには
それらがあってくれたからこそ
今があるのだと
あのときのすべてを
いとおしくおもうような
いや
ちょっとおかしかったなくらいに
ふふっと
わらいながら
ありがとうをいって
涙ぐんでいるような

そんな
心境って
やってくるものなのである

ああ
おもしろい
ああ
おかしい
ああ
生きているって
へんてこりんでかわいくて
ちょっときついとこもふくめて
なんて
すばらしいんだろう

おもう

ああ生きているって
すてきだなって
おもう

ありがとうって
あのひとにも
おもう

そのまわりのたいせつなひとたちが
いま
ふくふくとやはらかく
ユーモアのなかで
寛いでたのしくやっているといいなとおもう

そして
わたしは
いまも
うたを
うたっている
うたえている

こうして
こんな
すばらしいひとたちと
こうして
こんな
すばらしいばしょで
こうして
こんな
すばらしいせかいにくるまれて
うたを
うたっている

だいすきな
うたを
だいすきっていうか
なんというか

生きている
その
てっぺんのよろこびが
ここに
いま
こうして
うたを うたうとき

わたしのまわり
わたしの真中
わたしの身体
たましい
いちばん大事なところが
ふるえ
ふるえて
あふれあふれて
せかいのなにもかもと
ふるえあって
ひとつになる

どうもありがとう
どうもありがとう
どうもありがとう

なみとなって
ひろがっていく
うみとなって
そこにある
なみとなって
このせかいに
ゆるやかしずやかに
この波紋の輪は
ひろがり
およんでゆく

なみとなって
うみとなって
なみとなって
うみとなって
なみとなって
うずとなって
うみとなって
みずとなって
かぜとなって

きせつをめぐり
めぐりめぐって
このこえは

このせかい
このほしぼし
このだいちをふるえ
ゆらめかす
ちいさな
かすかな
たしかな
なみ
となる

うみとなる


「大阪 枚方 星ヶ丘 洋裁学校内
Sewing Table Coffee」

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息子は大阪の駅のホームで見た
南海線・ラピート
の姿に大興奮
その後、帰ってからも
自作のラピートの唄を繰り返している

ライブ後に連れて行ってもらい食べたお好み焼きも、
ニューアストリアのカツサンドも、
やろくの洋食も、
なんもかも美味しかった
 
車で横切りながら見上げた
太陽の塔も
美しく格好がよかった

嗚呼大阪、
深々
心より、感謝して。



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