
つくし は
土筆
と書くのだそうである。
筆の先のような姿をして生えるから
だとか。
わたしは春になると、
これがにょきにょきと生えるのをみずにはおられない。
むろん
こぶしの花も、さくらも菜の花も沈丁花も
絶対に欠かせぬものだけれど
毎春、
つくしをみるまでは
「つくしーつくしー」と
地べたをみまわしてあるく。
小さい頃はひろっぱに
ぽつぽつ顔をだして
にょきにょきのびるつくしに
身体中がわきたった。
はるだはるだはるだ、と。
夢中で摘んでは、ちょんぎっておままごとをして
遊んだ。
たんぽぽの花びらと一緒に水たまりでお味噌汁をつくったりした
なあ。
娘は、つくしをみつけても
もったいないとゆって摘まない。
一本くらいいいんでは?というわたしの誘惑にもなびかない。
都会のつくしは貴重で、なんである。
と
おもっていたら先日、
一面にわさわさと生えほこるつくしをみた。
とても格好がよかった。
写真は、
今年最初にみつけた土筆。
ないない、と騒いでいたら父がふとしゃがんで
ほら、と指差した。
立ってちゃわからぬこともあるのだなあと
しみじみ感じ入った。
花も舞散り、春がきたんである。
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