
ふと
息子の云う
ぞうって、どれくらいのおおきさなが?
ぞうか
それは…とこたえかけて
これは己の眼でみたほうがよろしかろう
と思い直し
春休みは動物園へいってみることにする
正直なところわたしは檻とか囲いに入れられた動物たちを
観るのがあまり快くなく、苦手である。
が、ここはひろびろとしていて心苦しくないよ
とのはなし。
なるほど
敷地はわりとゆったりとしていて
キリンもしまうまものんびりした佇まいである。
息子によく似たカワウソは三種類もおられるし、
ビーバーもくるくると
水の中を回転しながら泳いでいる。
しかしまったく事前に調べずに来たのだが
ここにぞうはいません
と、途中で気づく
あらら
チンパンジーとガラス越しに
腰かけて、
なにか神妙な顔をし合っている。
広場のトランポリンでは
このまま夕方になるのではないかというくらい
ぽよんぽよん
飛び跳ねている。
室内の動物たちはなんとも
空見上げること
春の新鮮な空気吸うこともかなわず
その眼もどこか彷徨うようであり
ごめんね、ごめんね、と云うしかない
わたしだったらむり、
と強烈におもうからである
さて
ひとまわりぐるり周り終えて
大きなからくり時計がある
息子はこれを当初からみたいみたいと
云っていたのだ
予定ではこの後ひとつ
寄りたいところがあり、そこは今出ないと閉まってしまう
うーむ
と考えたのち
そう、今は春休み
彼のよろこぶところをみたいのだったと
思いなおして息子に告げる。
ぴょんぴょん飛び跳ねて
時計の前に鎮座し、時を待つ
4時きっかりに
ういー---んと音がして
軽快な音楽とともに
ワニ、りす、うさぎ、おさるなど
カラフルな動物たちがからくりの仕掛けから厳かに
繰り出でる
三分ほどであったか
それらはまた静かにしまわれてゆく
おしまい
さて、さんざん歩いて足も疲れたし
近隣の温泉に入って帰ろう
さて本日の動物園
彼にとっては初めてのどうぶつえん
ぞうはいなかったけど
なにが一番だった?
と、わたし
わたしはビーバーがかわいかったなあ
うみは?と問うと
彼曰く
「からくりどけい」
とこたえる
「あのからくり時計みたいから、
またこようね、かか」
そういえば
かつて同じ歳くらいだった娘も
どうぶつえんで
ぞうの前で
石をひたすら拾っていたっけ
さて
そんなことはいいとして
季節はすすみ
立夏
四季に一度のお愉しみ
好好食飯店 うるわしのお昼餉つき
koya 唄の環のおしらせです
……………
a circle for feeling voice
母音と倍音、声音の環 / 立夏
-好好食飯店のお昼餉付き-
2023.5.10 (水)
11:00~14:30
於 koya (高知県香美市日ノ御子)
*場所の詳細はご予約の際にお伝えします
fee : 4500en (お昼御飯代含む)
・お問い合わせ / ご予約
haohaosuuhanten0303@gmail.com
…
環となり
境界線を解いて
耳をすます
技術、優越もなく
ただ声、母音を
ゆるやかに 響かせてゆく
そこに
自ずと立ち現れてくる
"わたし" は、
素であり自然
それは
すべてとひとつである
わたし、
いまここ、
その原初に還る。
身一つでおこなう
母音、倍音を用いる
"声のヨガ" のようなワークを含めた場です。
人前で声を出すのがためらわれる方
久しぶりに声を出したい方
声の可能性にご興味のある方
どなたでも安心しておこなえるよう
ゆるやかに誘導してゆく環となります。
ワーク後には 「好好食飯店」 はたなかいくよさんによる
心身の歓ぶ特製お昼ごはんを、新緑瑞々しいお山を眺めつつ
いただきまして、シェアリング。
……
この春分より
いよいよ毎金土曜日、
ここで開店したばかりの
「好好食飯店」
居てもたってもおられず
オープン翌日にお邪魔した
手製の看板も、
傍らに活けられた朱い椿の花も
なんとも
こころわきたつような
いくよちゃんのせかい
運ばれくる食事の
まあなんて
隅々までゆきわたる
ごちそうであろうか
それはそれはおいしくて
ひとつひとつ、うなりながら食べる
はたなかいくよ
彼女のやはらかにはなひらいてゆく
世界のとんがりは
実にすばらしい
そんな好好食飯店
この日のための特別メニュー
立夏 季節のお昼餉
ご一緒に囲めましたなら
さいわいです
青々と天にのび
風にそよぐ芭蕉の葉
うつくしき
日ノ御子
白き小屋
こころよりお待ちしております。
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