
夏至の旅より
随分と日が経ってしまった
この頃はゆっくりとしか
すすめない
そういうときなのかと
そこからみえる景色を味わうことにつとめる
テンポよくすすんでゆくせかいのみなさま
かたじけなくも
ごめんそうらえ
さて
早七月ではありますが
旅、環の記憶と記録
感謝をここに
〇
六月十四日
葉山 cibo
お集まり下すった方々
また
いつもあたたかく迎えてくれる
cibo 主 みとなさん
また
素晴らしいお食事を拵えてくだすった
野菜料理 めいさん
ほんとうにありがとうございました。
梅雨空で
しっとりした空気のなか
濃厚な緑、植物たちの香りと気配
デッキから小川を覗けば
母さん鴨のまわりをふりふりおよぐ
コガモたち
一寸で通り抜ける
翡翠色をしたカワセミの背中
ああ
ただいま
またひとまわり大きくなった
檸檬の木
冬至以来の方
また
初めましての方
お久しぶりの方
どちらも心から嬉しく
胸いっぱいで頭を垂れる
それは
なんとも
うつくしく
なんとも
静謐にまもられた
しあわせなときだっただろう
ともにしたおひとりおひとりに
深く感謝申し上げます
夏至にむけ
心身の支度を調えるつもりが
出発間際に軽く体調をくずし
喉を枯らしてしまい
内心この日までにどうなるかしらと
どきどきしながら
飛行機にのった
でもどこかで
だいじょうぶ
というきがしていたら
だいじょうぶ
この日の朝にはかすれていた声がもどる
夏至の関門を通り抜けるべく
やってくる
大きな流れや変動の波のようなものに
くるくるとまかれて
まったくの暗中模索
久しぶりの心の落下
のような心身状態でありながら
ふと
ああ
せかい
まわりに
ひかりがみち極まるとき
闇もまた深く
浮かび上がるのだ
と
どこか納得す
そんな
心もとないわたくしが
そのわたくしのまま
環のなかに座り
とおりぬけてゆく
おとや
ひかり
気配や
あらゆるいのちたちの
こえ
ふるえ
記憶
希望
このせかいのありよう
それらを
ともに
とおりぬける
おのおのから
響きわたり
かわされる
音の波
声音はかさなり
うつくしい
ハーモニーとなる
ここに
肉体をもってうまれ
さまざまをくぐりぬけて
生きるもの同士の
ゆるやかな
調和
その環の真ん中に
螺旋または
天へとのびる宮殿のような
ひかりの層を
それぞれに
見上げこころ
充ちてゆくような
とき
ば
となりました
ひとつとなった
また
同時に
ひとりひとりのひかり
あらわになった
そのあとの
野菜屋 めい さんの
お昼餉
色ゆたかなお野菜たちの
ぴちぴちをそのままに
ひとつひとおつに
丁寧にうつしかえたような
なんとも
うつくしく
なんとも
美味しい
なんとも
こうふく
そのものの
お食事とデザートでありました
めいさん
ほんとうに
ありがとう
〇
シェアリングでは何度も
涙あふれながら
それぞれの
歩いてこられた
背景、道のりのゆたかさ、尊さを
交換、交感するようなひととき
そこには
いとおしさと
やさしさと
ありがとうしかない
ほんとうにありがとう
ありがとうございました
〇
帰りはめいさんの車にのっけていただいて
お願いして、ちょこんと
海辺でおろしてもらい
懐かしい海の水に
足をひたし
おかえり
というこえを聴き
ただいま
を云い
懐かしい道を
てくてく あるき
親しい神社に
ふと 立ち寄って
てのひらをあわせ
バス停を幾つもあるいて
懐かしいバスにのり
ゆられ
ゆられてかえった
一日
むすこをみていてくれた父母
どうもありがとう
まっていてくれたむすこ
ありがとう
その日は
妹の家に皆であつまり
幼子は三人
むすこは女子の女子らしい部屋や世界に
飄々と馴染みつつ
桃色のミニーマウスの電車にまたがり
滑走
会うなりすかさず
ビーズをつなげて作った
ブレスレットをプレゼントしてくれた
恥ずかしがり屋の姪っ子よ
ありがとう
六月うまれのわたしの誕生日を祝うべく
ケーキを拵えてくれた妹よ
ありがとう
このまま
眠ってしまうかとおもうほど
ほっとする
賑やかな
夜であった
そんなふわふわ
ふらふらのわたしを
むすこととも家まで連れて帰ってくれた
いとおしいむすめ
ありがとう
みなみなさまに
かくも
感謝を込めて
謝謝
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