
先の九州旅
ふりかえれば
もうすこしばかり
書き足らないところあるため
旅のこぼれ話
ここに記す
/
この旅で深く
学んだこと
再々くりかえし
投げかけられた
メッセージのようなこと
それは
願う
するとそれは
叶う
ということ
だから
ただ
信頼して
いま受け取れ
ということ
ありがとう
/
大都会 福岡にて
お店に入るべく
駐車場を探している折だった
狭い路地をくねくねと
幾つものパーキングを彷徨う
どこも満車
いっぱいである
空いてる、とおもえば
そこは他より高額である
ゆえに空いている
時間に余裕もなく
なるたけ早く、そして近いところに
停めたいものだ
ふと
天にお願いをする
いま一番近くて、安いパーキングに
すぐに停めたい
どうすればいい?
すると目の前にすぐさま
新たなるパーキングが見える
あ
とおもい車をつっこみかける
でもおや
もう少し先にもう一つ
パーキングの看板がみえる
あれ
どっちが安いかしら
そうおもい
左折しかけた車の頭を戻しかける
と
向こうから車一台やってくる
あらら
あたし邪魔だわ、一回どかなけりゃ
と戻ろうとするを見て
あちら
ウインカーを点滅させて
そこに入りたいから戻らずともよい
そこ、どいてくださいな
と
指し示す
あ、はいはい
え、でも、ってことはここ、今一番よいとこなんじゃ…
と頭をよぎりつつ
一度出しかけて
あちらが入りたいと言っておられるのだ
それはどかないと、
と
あわてて出ようとバックする
と
がつん、がりがり
音がする
振動もする
我が愛おしきカシオペイヤちゃんが
コンクリートブロックに後ろ車体をこすりつけている
………
………。
半ば小さく叫び
泣きそうになりながらも
なんとか車を出して、あちらが入れるよう
ひとまずここを出る
やはり
確かめるまでもなく
さっき見えた次のパーキングは
高額である
高額っていってもあなた
それは
何百円の世界
その差である
だのに、
だのにわたしったら
なんてことを…
なんて馬鹿なの
お馬鹿なの
本末転倒
もう
ほんとうになんて
おおバカなんだろう
あのときかみさま(みたいな存在)は
すっとすかさず
願いを叶えてくれたじゃないか
それを
忘れて
疑って
もっといいものあるんじゃないかなんて
欲をだすからいけないんだ
ああーー
と嘆きのことば駄々洩れのまま
またふらふらと難民をつづける
後ろからむすこ
かか
だいじょうぶだよ
かか
だいじょうぶだよ
と
云うてくれる
おお
こころやさしき
むすこよ
こんなだめなかあちゃんでほんとうに
すまない
それにしても
なんてこと…
何百円をケチったところで
修理に一体いくらかかるとおもっているんだ
ああーーーーーーーーーーー
ああーーーーーーーーーーー
で
ふと
あれ?
修理とかいる?
別に、支障なく車、走ってるやん
ちょっと削れてへこんだだけやん
直すのってなんのため?
人からみた
見た目を気にするからやんな?
それって、いる?
いらんくない?
え、わたしそれいらん
いらんわ
修理、せんでええわ
このままでええわ
カシオペイヤちゃんには
ほんまごめんやけど
そして、だいすきやけど
直すんやめるな
このままいくな
うん
そうしよ
そうおもったら
すーーーっとした
もはや
数分で立ち直っていた
もうわらえる
むすこに云う
いちいちちょっとの傷で修理するのは
日本人だけ
(知らんけど)
外国いったら凹んだ車
普通に走ってるわ
(知らんけど)
だから、かか、直すのやめるね
このままにするね
そんなことを云う母を
むすこ
半信半疑ながら
しずかに見守っている
そして学ぶ
願えば叶う
それを
ありがとうって
ただ受け取る
それだけだ
そういうせかいに
生きている
そんなことがあった
/
旅の途中では
あれこれと
選択肢が多い故
迷ったときには
身体に問いかける
あとは
むすこに問いかける
あまり自分の頭でごちゃごちゃ考えて
決めようとしない
どこか任せている
それでたいていは
佳きこたえが導かれる
あるとき
せっかく福岡へ来たなら寄りたい
というお店があり
それはそこのひとにひとめ会いたい
からなのだったが
その日は予定を詰め込んでいて
寄れるかどうかわからない
またはそこをメインにして一日滞在をのばすか
どうしようかと
身体に訊くと
寄らずにゆく
に
背骨がとおる
呼吸が深く
かるく、広がった感じがする
残念だけれどそうするか
と出発して道をすすむと
ふと見知った道である
やや
やはり
「クラフトの店 梅屋」
左手に看板がみえる
わー
と小躍りしてハンドルを切り
そこへちょいと立ち寄ってゆくことにする
が、会いたかった方は本日体調不良でお休み
ということで
言付けと、ささやかな土産だけ残してゆく
後日、丁寧に電話をいただいて
元気そうなお声がきけて
嬉しかった
懐かしく
いとおしい場所へ
自然と立ち寄れたこと
諸々を
感謝する
身体ってすごいな
/
旅の終わりの頃
大分、国東
シュタイナーあめつちの学校
星まつりにて
葉山の懐かしい友人
美里さんに会う
彼女は
CD 「O」 に於いて
美しいデザインを手掛けてくれた方
「くらすことの本」でもお世話になった
高知と葉山、そして国東
もはやここが何処なのかわからなくなる
不思議で
嬉しいことだった
/
自分でなにもかもをと
ひとりで決めようとしない
するといつもより
ちからがふわっとぬける
この風を
信頼して
どこか委ねている
ただ
わたしであること
この
主体性は失わない
わたしとこのせかい
絶妙なバランス
それは
信頼を
内と外
そのどちらにも
もつ
ということか
やはらかく
ゆったりと
愛
ということ
なのでせうか
/
この旅
またこれまでのすべて
佳いときも
そうでないときも
ともに居てくれたむすこ
おおきなものに
深く
感謝をする
〇

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