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  日々、ミカンのこと                 

satomi yamada

ノラ 

散策と旅 |

nolla


味にホレるなどということが

この世の中にあるのならば

こういうことなんだろうと

帰る道、

こみ上げる得体の知れない笑みをかみ殺しながら

いつもおもう。



外食するということを

あまり頻繁にしないタチの私のことである。



私ひとり分の昼飯くらい、

残り物だとかなんとか

適当に食べればよろしいなどと

おもっていた私のことである。



ひとつ隣駅からしばし歩いたところに

そのみせはある。

ちいと分かりにくい場所に位置していて

しかも2階にあるものだから

よけい非常に分かりにくい。



ドアノブは黒鉄でできた

猫のかたちをしている。

ドアのこちら側とあちら側

1匹ずついる そのお猫さんは

耳に、とんがったカバーをはめて

あごの下でそのひもを結んでいる。



もんだいはそこのスープである。

そこのパンである

コーヒーである

チーズケーキである。



スープは はかせ鍋とかいう変わった鍋で

作られているそうで、

煮込まないのに煮込んだスープとかなんとか

よくわからない説明がある。

その味である。



とにかく

身体の力が抜け、

ただただ素直になるような

ふしぎな味である。



きみ、このスープに何をした?



尋ねてみたくなるくらいである。



発酵させずに焼いたパンだとかなんとか

これもまたわかるようでわからない説明の

パンであるが、

こちらも噛むと

ほどけるように味がしてくる。

また ためいきがでている。



言い始めるときりというものがないが

ここまできたからには進むことにするである。



黒くこっくりした色の、

こっくりした色のカップに注がれたコーヒーは

だいたいにして普段

コーヒーか紅茶かといわれれば

たいてい後者をたのむ私に

毎度 「コーヒー」 といわせる。

理由はもはやよくわからないけれども。



そんでもってここのチーズケーキ

とくに 黒糖レアチーズケーキ

というやつが

わけがわからないほどおいしい。

もったいなくて、ちびちび食べる。

食べるたび、こわいとわかっていながら

笑ってしまう。

にっこにっこして、食べてしまう。



ひとりで席に座っていながら、

そのにこにこは誰に向けられているのか と

こわごわ尋ねられたならば、

「むろん 

この目の前のチーズケーキですよ」 としか

いいようがない。



そんなわけで

まだまだお世辞にも

繁盛しているとはいえない

この店にぽつりひとりで座り、

スープをたべ

パンをかじり

何か書いたり

棚から抜き取った本を

広げてみたりしながら、

流れる曲に素手で心を触られて

泣きそうになりながら、

しみじみと食事をして

しみじみと時間を過ごして帰っていく。



そうやってバランスを保ったりしていた。



そういえば

関係あるんだかないんだかわからないが

ここへ初めてきたのは

たんじょうびである。

30歳の誕生日の昼間、

妹にごちそうになったのだった。

それからぐるり、1年が経った。



このみせ。

名を

「nolla cafe」 ノラカフェ

という。



小さな猫の出入り口が片隅にある

細長く

小さなみせである。



この場所で。

以前ここでも話した

『UA やんばるLIVE 』

の上映会をしていただけることになった。

時は 6月28日(日) 18時~

詳細はこちらで。

http://nollacafe.catfood.jp/index.html



店主のはからいにより

今回、ノーチャージだとか。

ご興味おありのご都合つくかた。

ぶらり足を運んでいただけたならと

みょうちきりんな客のひとりとして

おもいます。
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