弥生
十日ばかりの旅へ出ることとなる
道連れは、むろん
四歳になったけんこれくらいの塀は
自分でおりられるけんね
とのたまう むすこ
日に日にたのもしくなるゆえ
こたびもまた佳き旅となることであろう
さて
はじまりに向かいますは
長野、佐久
ひふみゆ
hifumiyu.com
このおふたりにはむすこ生まれる前から
たいへんお世話になり
どんなに救われ、あたたかく包み、育んでいただいたかしれない
昨年春の、森の中でのつどいもまた
やはらかく、いつもとは質の異なる、すばらしいものだった。
おふたりが佐久を離れる日も近いと聴いて
その前に
節目としてここを訪れておきたいなとおもう
お忙しいなかであるに
いいよ
といってくださり
こたびの訪問、叶います。
敬愛します
ひふみゆ
佐久で唄いますは
おそらく
最期の機会となります
ぴんとこられたかた
ぜひ
ご一緒できますれば
さいわいです
…………
はるのなか わたし わたしたちのなか
唄の環 旅ノ巻 / ひふみゆ 佐久
2023 4.9 (日)
場開き 13:00
はじまり 13:30
於 : ひふみゆ
長野県佐久市協和960-7
(駐車場は別となりご予約の方にお知らせします)
料金 : 5,000円 (ひふみゆさん手製のお菓子、お茶代含む)
定員 : 8名
ご予約
hifumiyu39@gmail.com
ご参加の方全員のお名前をお知らせください
返信にてご予約完了となります
…
はるのなか わたし わたしたちのなか
を きく
はるのなか わたし わたしたちのなか
を みる
はるのなか わたし わたしたちのなか
を ゆく
はるのなか わたし わたしたちのなか
を すすむ
ひふみゆ
おふたりの日々のいとなみ
それはやはらかく やさしく なかよく とても自然
その気配につつまれ みちる
いとおしいこの場所で
くるり 環となり 耳すます
内から 外から またちかく とおくから
聴こえくるもの
わたしのなか 鳴り ひびくもの
後半は おひとりおひとりから成る
こえをもちいたワークを共有いたします
いつのまにか身につけた
境界線 の解けてゆくような
むすびには
ひふみゆ 和美さんお手製
春の寿ぎのようなお菓子を
いただきながら
シェアリング
…………
環となり
境界線を解いて
耳をすます
技術、優越もなく
ただ声、母音を
ゆるやかに 響かせてゆく
そこに
自ずと立ち現れてくる
"わたし" は、
素であり自然
それは
すべてとひとつである
わたし、
いまここ、
その原初に還る。
身一つでおこなう
母音、倍音を用いる
"声のヨガ" のようなワークを含めた場です。
人前で声を出すのがためらわれる方
久しぶりに声を出したい方
声の可能性にご興味ある方
どなたでも安心しておこなえるよう
ゆるやかに誘導してゆく環、場となります。
…………
弥生のはじめ
今日を生きる
わたしたち
佐久には
どんな花が咲くかしら
どんな鳥が囀るかしら
道々
庭には
どんな虫が
草草が
顔をだしているかしら
こころより
お待ちしております。

固くちぢこまりし寒が解かれ
みるみる
春へとゆるみ
すすんでゆく
先日、あの梅をみにいこう
とむすこと出かけ
セリ、土筆、蓬、など摘みながら野道をゆくと
なんとその花はすでに
すっからかんにおしまいで枝ばかり
寒々しい姿であった
仕方がないので弁当はまた
こんぴらさんへ上ってたべる
路にはすみれ、れんげの花が咲き
そこからは春の海が見渡せる
今年の梅とは
はやもう会えぬのかと
うかうかと期をのがしてしまったこと
名残惜しくおもう
しかしながらまた先日
友人たちの愛飲するという
湧き水を汲みに山の奥へと出かけた
川に沿ってくねくねと細い山路をゆく
途中の河原でぽんかんをたべ
透明な川水を眺める
さていよいよこのあたり
という折、
そこには
あはく神が居り
みれば
梅の花が満開である
奥山ゆえに遅咲きであったか
まあ
風にひらひらと花弁が舞う
むすこは
ゆきだー
と叫んではしゃいでいる
風に乗って
降るように、こちらへ運ばれくる
その薄桃色に透けるはなびらを
浴びて立つ
奇跡のようにそれは
てのひらにのる
むすこ
その花びらを食べて
おいしいからたべてみよと
私につよくすすめる
なんどもいうのでひとひら口に入れると
ふわっと
梅の香りがした
なんといって
降るように散る花びら
それを浴びて立つほど
恍惚とすることはない
暫く
そこから動くことできず
春風はなんども
花びらをやはらかく舞い上げた
ああ
これで今年の梅と充分に
戯れることが叶う
そのしあわせを
かんしゃを
なんどもいって
山を下りた
湧き水はポイントがみつけられず
またもや汲むに至らなかったが
あの梅に会えたのだから
なんの悔いもない
またすぐくるからねー
と
むすこはひらひらと窓から手をふっていた
さて
さて
三月
春うらら
麗しき
弥生
止心庵
唄の環のおしらせです
....................
circle for a feeling voice
母音と倍音、声音の環
2023. 3. 23 (thu)
13:30 ~15:30 頃
fee : donation
於 止心庵
高知県四万十市口鴨川136
https://www.facebook.com/shishinanshimanto
・お問い合わせ、ご予約
止心庵
070-4413-7126
levelamica@gmail.com
いずれかに、お名前と人数をお知らせください。
………
環となり
境界線を解いて
耳をすます
技術、優越もなく
ただ声、母音を
ゆるやかに 響かせてゆく
そこに
自ずと立ち現れてくる
"わたし" は、
素であり自然
それは
すべてとひとつである
わたし、
いまここ、
その原初に還る。
身一つでおこなう
母音、倍音を用いる
"声のヨガ" のようなワークを含めた場です。
人前で声を出すのがためらわれる方
久しぶりに声を出したい方
声の可能性にご興味ある方
どなたでも安心しておこなえるよう
ゆるやかに誘導してゆく環、場となります。
むすびには、
止心庵特製、うつくしいおやつを頂きながらシェアリング。
(お茶菓子代は別途、donation となります)
...................
先日、
この会の打ち合わせを兼ねて
美佳さんと菜の花を観に行った
菜の花の
ひかりに呼応するような
ゆれる黄色にかこまれて
弁当をたべた
空には鳶が旋回する
止心庵の庭先に
うぐいすの声はするかしら
庭のレモングラス
ジェフ秘蔵っ子のうつくしい菊芋も
玄関先でまた買えるかも
しれません
木蓮
つわぶき
蕗の薹
爛漫
春分越えて春の庭
こころより
お待ちしております

一月、
息子の軽い体調不良で
日程を間際に変更させていただき
一週遅れで開催となった。
ご予定していて下すった方々
申し訳ありませんでした。
そして
あらためた日でご参加くだすった方々
ありがとうございました。
こころよりお詫びと感謝、申し上げます。
二か月つづけて
予定変更したことになるのだけれど
そのたびに
やはらかく、おおらかにお付き合いくださる
止心庵のおふたりに
こころからの感謝〇
一月
新年のはじまりに
美佳さんはうつくしい着物姿で出迎えてくれた。
寒空の下、ジェフ氏は駐車場の誘導を。
囲炉裏には火が入り、
大鍋には、庭のレモングラスのお茶
それを木の柄杓でめいめい、器にいただいてから
環にくわわる。
なんて
素敵な
おもてなし
また
こたびも素晴らしい面々に囲まれた
嬉しい、しあわせなときでした
ことば、からだ、時空をこえてひびきあうもの
シェアリングから受け取りあう、ゆたかなお土産。
南瓜、抹茶小豆、贅沢な二種のケーキも
素晴らしく美味しかった〇
お客さま手土産の柑橘も!
さて
あれよあれよと節分をこえ
立春
そして二月となりました
とんとご案内遅くなってしまいましたが
如月、
止心庵
唄の環
二月はぞろ目、222の日にひらきます。
少し寒さもやわらいで
梅の蕾もほころんで
しかし
まだまだ如月
あたたかな格好で
お越しください
春の兆しを
ふくふくと
ご一緒できますれば
さいわいです
…………
circle for a feeling voice
母音と倍音、声音の環
2023. 2. 22 (wed)
13:30 ~15:30 頃
fee : donation
於 止心庵
高知県四万十市口鴨川136
https://www.facebook.com/shishinanshimanto
・お問い合わせ、ご予約
止心庵
070-4413-7126
levelamica@gmail.com
いずれかに、お名前と人数をお知らせください。
………
環となり
境界線を解いて
耳をすます
技術、優越もなく
ただ声、母音を
ゆるやかに 響かせてゆく
そこに
自ずと立ち現れてくる
"わたし" は、
素であり自然
それは
すべてとひとつである
わたし、
いまここ、
その原初に還る。
身一つでおこなう
母音、倍音を用いる
"声のヨガ" のようなワークを含めた場です。
人前で声を出すのがためらわれる方
久しぶりに声を出したい方
声の可能性にご興味ある方
どなたでも安心しておこなえるよう
ゆるやかに誘導してゆく環、場となります。
むすびには、
止心庵特製、うつくしいおやつを頂きながらシェアリング。
(お茶菓子代は別途、donation となります)
---------
なにがあっても
だいじょうぶ
そのかくしんを
からだのなかに
まあるく
やはらかく
そのひかり
まいあさの
おひさまよりいただく
わたしと
せかいは
おなじもの
こころより
お待ちしております

七草粥の日
むすこと庭で五種の草を摘み
頂き物の大根と蕪
あわせて七草ということにして
さっと湯がいて
ごぎょうはこべらほとけのざすずなすずしろせりなずな
唄いながら刻み、
(蓬とかタンポポとか入ってるけど)
うつくしいひふみゆ米で炊いたお粥にのっけてたべた
ああ
ことしも
げんきにたのしくくらせますようにっていう
お祈りのごはん
というとむすこ
すごく嬉しそうな顔をする
さてこの日
香美市 koya に来ていた
月の海 cana ちゃんのところへ赴き
髪を切っていただいた
新年早々
実にすがすがしくしあわせなことだ
幸福感に充ち、さっぱりとする
わたしはもう、canaちゃん以外に切ってもらう選択肢はないかも
それくらいに
彼女のてのひらに髪を切っていただくというのは
「わたし」 を大事にすること
これにまっすぐ繋がる
陽当りよく
居心地の佳い
静謐なる koya の空間
傍らでむすこは
じじばばからのお年玉で、
ここへ来る路自ら購入した
分解できる車、うぃーんじゃー(パワーショベル)を、なにやら巧みにドライバーを使い
ばらばらにして、また組み立てていらっしゃる
そうしてその夜
だいすきなひとたちと囲むテーブルに並ぶ
いくよちゃんごはんの美味しいこと!
ああ、ああ、
好好食飯店!
むすこも名犬チャイとすっかり打ち解け
なかよしふたり
いくよちゃんのごはんは
むろん
数年前、葉山の当初からおいしいのとんがりにいらっしゃったが
そのとんがり
頂点が
会うたび、
そして高知へと暮らしが根付いてゆくごとに
ますます
ますます
どこまでものびのびて
美味しさが増してゆく
つちやねっこやくさぐさたち
はなやかぜやいきものたち
それらと
ゆたかに呼応する
それは
いろどりうつくしく
からだのなかで
ひかって
おどって
よろこびが
しみわたる
そんな
好好食飯店
うるわしの昼餉とともに
立春
あけたての満月
唄の環
かこませていただきます
なんともうれしくありがたきこと哉
koyaに於いては四季に一度
一期一会の場
ご一緒できますれば
さいわいです
…………
a circle for feeling voice
母音と倍音、声音の環
-好好食飯店のお昼餉付き-
2023.2.6 (mon 満月)
11:00~14:30
於 koya (高知県香美市日ノ御子)
*場所の詳細はご予約の際にお伝えします
fee : 4500en (お昼御飯代含む)
・お問い合わせ / ご予約
haohaosuuhanten0303@gmail.com
…
環となり
境界線を解いて
耳をすます
技術、優越もなく
ただ声、母音を
ゆるやかに 響かせてゆく
そこに
自ずと立ち現れてくる
"わたし" は、
素であり自然
それは
すべてとひとつである
わたし、
いまここ、
その原初に還る。
身一つでおこなう
母音、倍音を用いる
"声のヨガ" のようなワークを含めた場です。
人前で声を出すのがためらわれる方
久しぶりに声を出したい方
声の可能性にご興味のある方
どなたでも安心しておこなえるよう
ゆるやかに誘導してゆく環となります。
ワーク後には 「好好食飯店」 はたなかいくよさんによる
心身の歓ぶ特製お昼ごはんを、のんびりお山を眺めながら
いただきまして、シェアリング。
……
立春
日のひかり満つ
山のこや
心よりお待ちしております


二〇二三
はじまり
あけましておめでとうございます
わくわくする方向にしかゆかない
そんな予感に充ち満ちる
年のはじめ
それは
このせかい
どのひとにとっても。
くりかえす
より佳きほうにしかゆかない
と知っている
どんな路をとおっても
路すがらどんなことが起ころうとも
わたしたちはあまねく
よりよきほうへ
むかっている
だから
あんしんして
いま
天と地、水平にひろがる
いちばんおおきなゆめをえがく
さて
としのはじめの太陽が
はじめまして
の瞬間に
ことしはなんとか布団から出ることができた
これは
砂浜で初日の出をみよう
と誘ってくれた
止心庵、みかさんジェフ氏、おふたりのおかげである
まだ暗いうち
目覚ましは鳴って目は覚めたのだが
あまりに布団の外は寒く
まして外へなんてでたらどれだけ寒かろうと
想像するに
では一体親子ともどもどれだけの服を着こんで防寒すればいいのだろうと
考えるとそれは途方もないことにおもえ
むすこ揺り起して尋ねてみるに
いかない
と即答す
やや
確かに彼は昨日熱が下がったばかり
無理はいけない
なんて
思ううちに窓の外が明るくなってくる
確認するに時刻も日の出まで
もうそろそろである
えいや
と起きて
二階と一階のストーブをつける
窓の外にはいまにも顔を出しそうな
うみそらくうき
おどろくような
美しい気配
白湯を沸かし、
上着を羽織って二階にあがる
息子も起きだし
「おっきいりんごたべたーい」
と叫んでいる
何故
真っ赤な林檎、上着を着せたむすこを抱いて
二階へあがる
まあこれを
観ずしてこのせかいを通りすぎられようか
(昨年はさくっと通り過ぎたのだが)
ああ
ベランダ
白湯からのぼる湯気
吐く息しろく
また海からも淡く湯気立ちゆらめく
そこへ
この世へ射し込むひかり
まるくあかくやはらかく
みるみるとその景色は変わってゆく
ああ
しゃくしゃくと林檎
齧りつく音
わたしも横から齧りつくと、これ旨い
まるごと朱く瑞々しい果実
なんと日の出にぴったりのたべものだろう
暫し
ひろがってゆくかがやきのなかに包まれ
はじまった
ありがとう
ありがとう
だいすき
よろしくね
来年こそは
浜までおりる
さて
新年さいしょの唄の環
止心庵は
ひふみの日
一月二三日にひらきます
(日取りを決め、「ひふみの日」と気がついてくれたのは、親愛なるみかさん)
真新しい空気のなか
畳の間
初々しいこの環、こえのなみ
本年も
ご一緒できますれば
さいわいです。
------------
circle for a feeling voice
母音と倍音、声音の環
2023. 1. 23 (mon)
13:30 ~15:30 頃
fee : donation
於 止心庵 (高知県四万十市)
高知県四万十市口鴨川136
https://www.facebook.com/shishinanshimanto
・お問い合わせ、ご予約
止心庵
070-4413-7126
levelamica@gmail.com
いずれかに、お名前と人数をお知らせください。
………
環となり
境界線を解いて
耳をすます
技術、優越もなく
ただ声、母音を
ゆるやかに 響かせてゆく
そこに
自ずと立ち現れてくる
"わたし" は、
素であり自然
それは
すべてとひとつである
わたし、
いまここ、
その原初に還る。
身一つでおこなう
母音、倍音を用いる
"声のヨガ" のようなワークを含めた場です。
人前で声を出すのがためらわれる方
久しぶりに声を出したい方
声の可能性にご興味ある方
どなたでも安心しておこなえるよう
ゆるやかに誘導してゆく環、場となります。
むすびには、
止心庵特製、うつくしいおやつを頂きながらシェアリング。
(お茶菓子代は別途、donation となります)
---------
わらったり
なみだぐんだりす
にんげんであることの
よろこび
うつくしさ
こえが
おのおのから
わきいでて
まじりあう
すがた
この一寸が
むげんにもひろがる
初春
止心庵
床の間の掛け軸
庭、野山より活けられし花
凛とおとのするような
こころより
お待ちしております。

二〇二二年
私の観た数多くない映画のなかで
最もふるえ泣いたのは
「地球交響曲第九番 ガイアシンフォニー№9」
であった
このなかに登場する
世界的指揮者、コバケンこと小林研一郎氏の姿に
説明できうる以上のものが内側に波立ち
むせび泣いた
そのときおもう
生きているうちに彼の率いるオーケストラの音を
全身に、生で、浴びたい
そしてふとそれが叶うことになる
即、チケットをとる
飛行機もおさえる
そうして
久しぶりに冬の東京を訪れた
この夜のことは
魔法がかったようにわたしの心身に刻まれている
この記憶
忘却機能の優れたわたしの能力にかき消されることなく
いつも鮮やかにとりだし、包まれることができますように
と祈る
こんなにもうつくしい旋律があるのか
もはや、最前列の端っこゆえに
小林氏の振るタクトも、姿かたちもほんの一寸しか
みえなくとも
まったくそんなこたー問題にならない
音、その波を、そこに繊細に、完璧なまでに込められたなにか
この祈りのような細かな集合体を浴びる
月イチで聴きたい、なんて贅沢をおもうくらいに
それはそれはしあわせなことであった
ゆりかごに揺られているような
音楽というものに造詣深かったこともなく
これまでの人生に一度も
オーケストラもベートーヴェンもまして第九にも
まったくといって興味関心を寄せたこともなかったが
ああ
この歳にして、今これきたか
というこの小さなおどろきとよろこび。
人生、いつなにがおこるかわからない
大げさでなく
実に面白いなあ
ほんとうに
その間、息子をあたたかく観ていてくださった父母にも
心より感謝。

さて
その翌日に訪れたのは
山梨、シロテナリ
かれこれ10年ほど前
娘のシュタイナー土曜クラス時代に知り合った
ゆき乃さんと、この夏久しぶりに、ふたたび繋がる。
当時から
透けるようにうつくしく、
独特の空気世界観を纏う女性であった。
彼女が今、藤野にほど近い山梨でカフェを営んでいるという。
それはいかなくちゃ
わくわくして娘を誘ってこのたび
それが叶う。
これはもう
想像以上に
物語のようなうつくしい世界であった
食事もひとつ、ひとつ、
野菜植物たちと丁寧な結びあいをおこなって
ここにひかる
美味しい、というにはあまりに語彙が足りない。
はあ、
ここでもまた
この人生の運んでくれることのあまりの豊かさに
深々、しみじみさいわいをかみしめる。
感謝〇

その翌日のこと
葉山、cibo へ
そう、オーケストラのチケットをとってすぐさま
ciboの主、みとなちゃんにお伺いをたてた
年も瀬、急な申し出にかかわらず、
なんともあたたかく、ぴっかりーんとご快諾してくださって
この日が叶う
ああ
ぴっかりー-ん
そうして
環をかこんだのであるが
冬の日
奇跡のような陽だまりのなか
我、おもいのこすことなく
ことば、また言葉意味を超えるものを
そこに安心してひろげることができ、
そこに耳をかたむけ
また
それぞれから奏でられる声のおと
その波、ひかりのドーム、螺旋にまじりあう柱をなして
このせかいにひろがってゆく
そこには
指揮者不在の
やはらかく完璧なハーモニーがある
その余波に包まれながら
目の前に運ばれる昼餉
つづく
焼き菓子
ちな(青天舎)、みとなちゃん
それぞれからの
完璧な愛がどこまでもどこまでも
繊細に丁寧にあふれており
言葉にならない
じんわり涙ぐみながら
それを大切に、たいせつに身体におさめる
その環をなしていたわたしたち、全員が
完璧なこうふくのなかにいた
これが
このせかいである
これが
わたしたちである
こまかなひかりふるえる方々に
この日
お集まりいただき
ほんとうにしあわせなときとなりました
こころよりふかく
感謝もうしあげます
その間
息子を江ノ電に乗せ、ここへ来てくれた
娘にも心より感謝
うつくしいひであった
わたしたちはいまも
このなかにある


(冒頭の写真、上、ちなの2種のサンドイッチプレート。 みとな氏撮影)
(下、みとなちゃんの林檎のタルト。 ちな氏撮影)
そうして眠った
娘の家
最終日の朝、目を覚ます
枕元にリボンを結んだ包み、ふたつ在る
え
もういちどめをとじる
うっすらとあけてそれをみる
隣にはむすこ
その向こうにはむすめサンタが眠っている
え
なんどもなんども
ちらっとみては
布団にもぐる
これは
わたしが小さなころにしたことだ
このしあわせを
いまにとじこめておきたい
と
なきながらおもう
こういうときって
くるんだな
え
ふつうこないでしょ
なんてわたしはしあわせものなのであろう
いいであろうか
わたしサンタできるものなにももってない
あー-
そうして
随分長いことそうしてから
包みをひらくと
わたし、むすこ、それぞれに
むすめの編んだ
セーターが入っていた
あんまりうれしいとひとは
リアクションがうまくできなくなるということを
知った
あたたかくて
かわいくて
うつくしいセーターを
着て
わたしたちの住み暮らす
この町へかえる
かえってきた
どのしゅんかん
どのかたも
ありがとう
ありがとうございました
